職務経歴書はどのように書くべきか、という問題は転職活動で必ずぶつかる問題です。東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏がおすすめするのは、職務経歴書の冒頭に「エグゼクティブ・サマリー」を入れて、簡潔に自分のやってきたこと・やりたいことをアピールする方法です。その理由と作成のポイントを解説します。
面接の期待値もアップ!優秀なビジネスマンをアピールできる「エグゼクティブ・サマリー」の作り方【キャリアのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

職務経歴書の冒頭に「エグゼクティブ・サマリー」を入れる

重要なのは、常に多忙な会社の経営層などに興味を持ってもらうために、職務経歴書の最初に「エグゼクティブ・サマリー」という文章をまとめることです。外資系企業に勤めている人にはなじみがあっても、日系企業しか経験していない人にはあまり知られていないかもしれません。しかし、これは職務経歴書に不可欠と言ってもよい要素だと思います。

 

エグゼクティブ・サマリーは10行から20行くらいの文章で、候補者の業務の要約や価値をまとめて説明するものです。いわゆる起承転結ではなく「結」からはじめて理解してもらう文章です。エグゼクティブ・サマリーを書いておくことで、貴重な時間を奪うことなく要点を提示できるという点から、ビジネスマナーのような側面もあります。

 

そして「この10行~20行を読んで、関心を寄せていただくような、ピンとくる要素があるようでしたら、この下の文章もぜひお読みください」という流れを作ります。細かく読み進めれば、これまでの経歴や実績など詳細が理解できるように構成しておくのです。

 

エグゼクティブ・サマリーは、優秀なビジネスマンをアピールするひとつの手段だと思えばよいかと思います。だからこそ、意図的にエグゼクティブ・サマリーをまとめてみることをおすすめします。

 

とはいえ、職務経歴書は美辞麗句を駆使してかっこよく書くのが本来の目的ではありません。定期的に自分自身の棚卸しをして、頭の中が整理できていないとうまく書けません。場合によっては、整理した内容を確認するために、職務経歴書に内容を書き残していくというスタンスが必要になるかもしれません。

 

しっかり棚卸しをして頭の整理ができていないと、面接で聞かれる想定外の質問に対して的確に答えられない可能性が高いので、そもそも意味がないということになります。

 

ですから、職務経歴書をしっかり書いている人は、頭の中がきちんと整理されている人だというひとつの証明になると考えています。その人物に会わなくとも、事前に受け取った職務経歴書を見ればどのくらい自己認識ができているか理解することができるのです。企業の経営陣や人事の要職にある担当者もこのあたりのプロフェッショナルですから、会う前から成功の期待感も湧いてくるでしょう。