2024年3月19日、日本銀行は金融政策を決める会合で、マイナス金利政策を解除する見直しを決定しました。これにより、多くの消費者にとって関心の的となったのが、住宅ローンの金利です。本記事ではBさん夫婦の事例とともに、金利上昇のリスクとペアローンのリスクの密接な関係について、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
(※画像はイメージです/PIXTA)
ペアローンを選択する前に考えるべきこと
金利上昇のリスクとペアローンのリスクは非常に密接な関係にあります。
ペアローンを利用する人の理由としては次のようなものがあります。
1.ペアローンを利用しないと希望する額の融資が受けられない
2.夫婦ともに減税メリットを活かしたい
3.夫婦で協力して支払うので、お互い対等に持分を登記したい
2.夫婦ともに減税メリットを活かしたい
3.夫婦で協力して支払うので、お互い対等に持分を登記したい
このなかで最も危険なのが、(1)です。融資額を増やすためにペアローンを利用するということは、年収が低いか、希望する物件の値段が高すぎるかを意味しています。
必然的に住宅購入後の家計の収支はギリギリになるため、金利上昇リスク(返済額が増えるリスク)を吸収する余裕がありません。金利上昇に加えて、病気や収入減少に見舞われると一気に家計が狂っていきます。
事例の妻Bさんのように病気を経験すると、金利上昇を避けるために借り換えを行おうとしても団信に加入できず審査NGとなります。リスクが高い借り入れに、病気などのネガティブな要素が加わることでリスク回避がより難しくなるのです。そのため本来優先すべきこととしては、
・自己資金を貯め、借入額を減らす努力をする
・なるべく単独債務で借り入れし、夫婦どちらかの年収が残れば返済ができるようにする
・団信と生命保険のかけ方を工夫し、万が一のときに住宅ローンの返済に困らないようにする
・金利上昇を具体的に見込んだ返済計画を立てておく
・なるべく単独債務で借り入れし、夫婦どちらかの年収が残れば返済ができるようにする
・団信と生命保険のかけ方を工夫し、万が一のときに住宅ローンの返済に困らないようにする
・金利上昇を具体的に見込んだ返済計画を立てておく
これらは自力では不可能です。専門知識のあるFPなどに相談し、返済計画とリスク対策を練ることをお勧めします。
長岡 理知
長岡FP事務所
代表