「あれっ、こんなに高かった?」「あれっ、こんなに量が少なかった?」日々、さまざまなところで感じる、物価高の影響。実際にどれほどのものなのか、「身近なモノ」で振り返ってみましょう。
あれっ「ポテチ」ってこんなに高かった?手取り月28万円の40代サラリーマン「お菓子タイム」に直面した物価高の現実

40代サラリーマンが「お菓子タイム」に覚えた違和感

――あれ、ポテチってこんなに高かった?

――あれっ、しかもこんなに少ない……

――子供のころはもっと安くて、袋にパンパンに入っていたような……

 

会社での小休憩。なぜか無性に食べたくなり、ポテトチップスを買ってきたという40代の男性社員が違和感を口にしました。

 

1970~1980年代、ポテトチップスは一袋90グラムというのが一般的。それが近年は、原材料価格の高騰などにより、容量は60グラム程度に。価格もあがっています。

 

総務省統計局『小売物価統計調査(2024年1月)』によると、ポテトチップス一袋の値段は全国平均197円。特に2022年1月に全国平均157円だったのが、以降、グッと値上がり。「ポテトチップス一袋200円時代」に突入する勢いです。

 

さらに総務省『2020年基準消費者物価指数』で2020年を100とした際の価格推移をみていくと、その10年前の2010年には89.7、さらに20年前の2000年には85.7、30年前の1990年には79.1、40年前の1980年には62.1。2020年12月の価格である154.0円を基準に考えると、1980年95.6円→1990年121.8円→2000年132.0円、2010年138.1円と、確実に値上がりしていることがわかります。

 

――ハンバーガーなんか、俺が大学生の頃はすごく安かったけど。今は結構するもんな

 

ハンバーガーの2020年12月の全国平均価格は196円。これを100とすると、2010年には149.9円、2000年には148.2円。日本マクドナルドが「平日65円」という衝撃的な価格で世間を驚かせたのが2000年2月のこと。確かにこのときを基準に考えると、高くなった印象をもつかもしれません。

 

――牛丼だって、すごく安くなかったか?

 

牛丼の2020年12月の全国平均価格は444円。これを100とすると、2010年には398.3円、2000年には403.6円。そして2024年1月は515円。確かにこの最近、牛丼1杯の値段はグッと上昇しました。牛丼チェーン大手の吉野家、牛丼1杯の価格は2001年に280円。このころはライバルも次々と値下げ。ランチに牛丼を食べたうえにコーヒーを飲んでもワンコインで済んでしまうほど。このころの記憶が強く残っているからでしょうか、昨今の値上げは、さらに厳しいものに感じてしまいます。

 

40代サラリーマンの平均月収は37.0万円。手取りにすると28万円ほどです。月のお小遣いは、平均4万円弱。決して十分とはいえない小遣いから、捻出して買ってきたポテトチップス。そこで改めて感じた物価高の現実に、思わず肩を落としてしまったといいます。