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ひとり暮らしの母が認知症に…母と同居して在宅介護、そして介護離職へ

5月8日、認知症の患者数が2030年に推計523万人にのぼると大きく報道されました。これは、二宮利治九州大教授が代表を務める厚生労働省研究班の調査によるもので、2022年時点の443万人から、およそ80万人増える推計です。

 

また認知症予備軍とされる軽度認知障害の患者数も2030年に593万人、2060年に632万人に増えると推計。これも含めると、2030年には認知症患者は1,000万人を超える勢いです。

 

ただ2014年に行った同様の推計から3割程度下回りました。また2012年度調査と比べると、ほぼ同様の数値ながら、認知症患者は減少し、その分、認知症予備軍が増加。その要因として健康志向の高まり、喫煙率の減少をあげています。

 

とはいえ、高齢化の進展とともに認知症患者の増加はある意味、既定路線。そして認知症患者の家族の負担は、依然として重いものがあります。

 

認知症の80代母の介護について投稿する58歳の男性もそのひとり。いまからさかのぼること10年ほど前に、軽度の認知症と診断されたといいます。当時、母親はひとり暮らし。ただ症状の進行は非常にゆっくりで「これであれば、しばらくは大丈夫かな」と考えていたといいます。しかし5年ほど前から症状は進行し、とても母をひとりにしておけないと同居を決め、在宅介護をスタート。しかし仕事との両立は難しく、離職を決意したといいます。

 

内閣府『令和3年版高齢社白書』によると、要介護者が介護を必要になったきっかけとして最も多いのが「認知症」で18.1%。男女別にみていくと、「男性」は14.4%で、理由としては「脳卒中」24.5%に続き2番目。「女性」は19.9%で理由としてトップ。年齢とともに発症リスクが高まる認知症。女性のほうが平均寿命が高いことが要因と考えられます。

 

また令和5年版の同白書によると、介護・看護を理由に離職した人は女性7.5万人、男性2.4万人と合計9.9万人。毎年9万~10万人程度で推移しています。