法人成りで活用できる「消費税免除」の特例

本連載は、税理士法人ゼニックス・コンサルティングの税理士、関根俊輔氏の著書、『個人事業を会社にするメリット・デメリットがぜんぶわかる本』(新星出版社)の中から一部を抜粋し、個人事業を法人化したときの税金面のメリットについて説明します。

課税売上高1000万以下の事業者は消費税が免除に

資本金の額を1000万円未満で設立すれば、原則、第1期と第2期は消費税が免除。現在、消費税を支払っている個人事業主も対象です。

 

消費税とは、一定の消費に対して所定の税金を徴収するものです。そして、実際の納税は事業者のみが行う仕組みとなっています。すなわち、事業者は商品や製品、サービスの販売にともなって、消費者より消費税を預かり、仕入や水道光熱費、事務用品費など、事業に必要なものを購入するときに、自分が支払った消費税との差額を納めることとされています。

 

法人成りには、消費税に関連して大きなメリットがあります。それは、消費税の免除です。消費税は、基準期間の課税売上高が1000万円以下であれば、課税事業者とならなくてよいという特例があり、消費者から預かった消費税があってもその納税が免除されます。

 

この基準期間は、前々事業年度とされているのですが、そもそも会社設立後の第1期と第2期については、前々事業年度という基準となる期間が存在しません。つまり、会社の場合、「資本金の額が1000万円未満であれば、第1期と第2期の消費税を免除しましょう」というわけです(ただし第2期は、第1期の半年間の売上または給与支払額が1000万円を超える場合に例外あり)。

株式会社の設立は「最低資本金1円」から可能

もしも、法人成り前の個人事業主としての売上が1000万円を超えていたとしても大丈夫です。先に説明したように、個人と法人はまったく別人格ですから、この特例に該当します。これは非常に大きな節税効果をもたらします。

 

株式会社を設立するときの最低資本金は1円からOKですので、ひと昔前のように、わざわざ1000万円を集めて設立しなくても、なんら支障はありません。ですから、資本金の額を1000万円未満に抑えて、消費税免除のメリットを十分に活用したいところです。

 

【図表 消費税の課税のタイミング】

※1 資本金の額が1,000万円未満の会社の場合
※2 前年の当初6ヵ月間(特定期間)の課税売上高または給与支払額が1,000万円を超えた場合は当年度から課税される
※1 資本金の額が1,000万円未満の会社の場合
※2 前年の当初6ヵ月間(特定期間)の課税売上高または給与支払額が1,000万円を超えた場合は当年度から課税される

税理士法人ゼニックス・コンサルティング 税理士

中央大学法学部法律学科卒。優秀なビジネスマンや税理士を排出する尾立村形会計事務所(東京都)で会計人としての修業を重ねる。
その後、関根圭一社会保険労務士・行政書士事務所(茨城県)にて、主に労働基準監督署や社会保険事務所の調査立ち合いや労使紛争解決等の人事業務、加えて、法人設立・建設業許可、遺産分割協議書や内容証明郵便及び会社議事録作成等の業務に携わる。
平成19年には、共同で税理士法人ゼニックス・コンサルティングを設立。現在は、学生時代から培った「リーガルマインド」を原点に、企業に内在する税務・人事・社内コンプライアンス等、経営全般の諸問題を横断的に解決する専門家として活躍している。著書に『改訂版 個人事業と株式会社のメリット・デメリットがぜんぶわかる本』(新星出版社)がある。

ホームページ http://xenixconsulting-ibaraki.com/

著者紹介

連載個人事業を会社にしたときのメリット~税金編

本連載は、2015年12月15日刊行の書籍『個人事業を会社にするメリット・デメリットがぜんぶわかる本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

個人事業を会社にするメリット・ デメリットがぜんぶわかる本

個人事業を会社にするメリット・ デメリットがぜんぶわかる本

関根 俊輔

新星出版社

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