「年収500万円」の若手サラリーマン「年収1,500万円」と噂の先輩エリートに憧れるが…
年収1,000万円超え。サラリーマンとしての理想であるものの、そこには大きなギャップがある……それが現実。実際に年収1,000万円超えを実現しているサラリーマンは、どれほどいるのでしょうか。厚生労働省の調査によると、年収1,000万円超えの目安となる、月収60万円以上*は7.0%。大卒に限っても11.9%です。限られた人だけが達することのできる領域だからこそ、年収1,000万円超えは理想だといえるのでしょう。
※賞与は月収の4.5ヵ月分超と想定
――先輩が高給だと分かると、やっぱりモチベがあがる
そう呟いたのは20代前半のサラリーマン。その先輩は、同じ部署の30代後半、誰もがエースと認めるスーパー社員とのこと。業績手当てもプラスされ、年収は破格の1,500万円という噂だといいます。
――頑張ればいまよりも3倍、稼げるようになれる!
――夢のある話!
そんなやる気満々な呟きに対して、外野からひと言。
――でも、手取りだと3倍もないよ
他の人からも「手取りはこれくらい」と具体的な金額が示されると、「頑張って昇給しても、そんなもんなのか」と一気にテンションダウンした模様。
「年収が額面で500万円」だった場合、社会保険料や税金が天引きされて「手取りは390万円」ほど。対して「年収が額面で1,500万円」だった場合、「手取りは1,000万円」を少々超える程度になります。
【年収500万円と1,500万円の手取り額】
額面…500万円/1,500万円
社会保険料…72.6万円/153.2万円
所得税…14.0万円/215.0万円
住民税…24.2万円/111.1万円
手取り…389万円/1020.5万円
※40歳以下、独身、東京都の場合の概算
年収500万円の場合、手取りは額面の77.8%。それに対して年収1,500万円の場合は68.0%。給与があがれば、圧倒的に天引きされる額が多くなります。
給与の手取り額は、年収300万円を超えたあたりから額面の7割台後半となり、年収700万円を超えたあたりからは7割台前半に。さらに年収1,400万円を超えると6割台となり、年収2,000万円では手取り1,300万円弱。額面の64.8%になります(関連記事:『【シミュレーション早見表】年収別「手取り金額」…150万~2,000万円』)。
昇給すればするほど天引き額は増えていき、「何のために稼いでいるのか……」少々疑問を感じてしまうほどの水準。「お金を稼ぐこと」はサラリーマンであれば誰もが望むことであるものの、お金を稼げば稼ぐほど、理不尽を感じることも多くなる……それが現実です。
[参考資料]
総務省『2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)平均』