連日、報道されている春闘の結果。賃上げ5%以上の要求に対して、早期解決&満額回答が相次いでいます。サラリーマン、みんな万歳三唱かといえばそうではなく、「賃上げできる会社」と「賃上げできない会社」は、明確に分かれているようです。みていきましょう。
「賃上げ5%!」のニュースも「それって大企業の話ですよね」と笑う、中小企業サラリーマンたちの「平均年収」

大企業「賃上げ実現」、中小企業「据え置き」で給与格差はどうなる?

そもそも賃上げには、大きく「定期昇給」と「ベースアップ」の2つがあります。定期昇給は、年に1回、2回などと、あらかじめ決まったタイミングで行われる賃上げのこと。一方、ベースアップは、基本給を引き上げることです。定期昇給は従業員の勤続年数や成績などに応じて実施されますが、ベースアップは一律に実施されます。

 

よく耳にする、賃上げ5%という目標。ここには、定期昇給2%前後という平均値を前提に、ベースアップ分として3%以上が上乗せされるカタチになっています。

 

仮に今回の春闘で大企業が3%のベースアップを実現したら。

 

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』によると、大企業(従業員1,000人以上企業、平均年齢42.3歳)の基本給は平均40.5万円、賞与も含めた平均年収は705.4万円です。それに対し、中小企業(従業員30~99人、平均年齢45.4歳)の基本給は平均31.4万円、年収は平均474.6万円です。

 

基本給3%アップとなったら、基本給は平均41.7万円となり、仮に手当てや賞与を現状と同水準でもらえるとすると、平均年収は724.8万円と、約20万円ほどアップする見込みです。

 

この賃上げの波に中小企業は乗れないとなると……現状、大企業の給与(年収)は中小企業の148.6%ですが、152.7%と4ポイントほど拡大。企業規模による給与格差はますます広がることになります。

 

働く人の7割は中小企業といわれていますが、連日の賃上げ報道に対しては多くが蚊帳の外。「それって大企業の話ですよね」と、ふふ、と笑うほど、中小企業のサラリーマンは諦めの境地にいます。

 

経営体力で劣る中小企業において、賃上げ負担は非常に重いというのが現状。まずは取引先となる大企業で価格転嫁が進み中小企業へと波及すること、さらに中小企業においても生産性の向上による経営体力の強化が欠かせません。

 

中小企業まで賃上げの波が到達し「物価高もなんのその」といえるようになるまでは、まだ時間がかかりそうです。

 

[参考資料]

株式会社新経営サービス『2024年賃上げに関する緊急のアンケート調査』

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』