連日、報道されている春闘の結果。賃上げ5%以上の要求に対して、早期解決&満額回答が相次いでいます。サラリーマン、みんな万歳三唱かといえばそうではなく、「賃上げできる会社」と「賃上げできない会社」は、明確に分かれているようです。みていきましょう。
「賃上げ5%!」のニュースも「それって大企業の話ですよね」と笑う、中小企業サラリーマンたちの「平均年収」

春闘「5%超」賃上げに満額回答も…そもそも「賃上げを予定している企業」はどれほど?

――ホンダ、初回交渉で満額回答。賃上げ率5.6%

 

――マツダ、満額回答。6.8%相当の年収引き上げ

 

――ヤマハ発動機、満額回答。賃上げ率約5.1%

 

――イオンリテール、満額回答。賃上げ率、正社員で6.39%、パート従業員時給7.02%

 

2024年の春季労使交渉の結果が続々と報道され、物価上昇に苦しむ従業員の生活支援や、人材確保を目的に満額回答による早期決着が相次いでいます。果たして、賃上げの波はほかの企業にも波及するのでしょうか。

 

株式会社新経営サービスが行った『2024年賃上げに関する緊急のアンケート調査』によると、「例年よりも高い賃上げを実施済み/実施を決めている」は4.6%、「実施に向けて検討中」は24.2%、「例年通りの賃上げのみ実施」が29.1%、「例年より低い水準」が2.3%、「賃上げを行わない」が8.6%でした。賃上げに前向きな姿勢の企業は28.8%に留まる一方で、例年通り、またはそれ以下の企業が40%に達しています。

 

規模別にみると、「従業員50名未満」の企業では「例年通りの賃上げ」が36.4%、「例年より低い水準」が1.5%、「賃上げは行わない」が15.2%。合わせると5割を超えます。

 

また例年よりも高い賃上げを予定している企業に対し、賃上げ率を聞いたところ、「1~2%未満」が最も多く27.3%。「3~5%未満」が23.9%、「2~3%」が21.6%と続きます。さらに例年よりも高い水準で賃上げを行わない企業に対し、その理由を聞いたところ「今の収益構造では、現状の賃金水準以上にすることができない」という回答が最も多くなっています。

 

このようにみていくと、連日、賃上げのニュースが報道されているものの、物価上昇分以上の賃上げとなり、「生活が楽になる」と実感できるのは大企業が中心で、中小企業にまでは到達していないことが浮き彫りになっています。