「親族なら当たり前」と、一方的にあてにしてはいけない
しかしながら、施設に入ればこれで終わりというわけではありません。今後も保証人や付き添いが求められる場面は出てくるはずです。
「もし自分の身に何かあった時、いったい誰が対応してくれるのか?」と、心配でたまらなくなりました。今回のことで姪があてにならないことがわかった今、Iさんは自分がおひとりさまであることを改めて実感したのです。
この事例のように、普段付き合いのない親戚をあてにするのは危険といえます。おひとりさまでも、甥や姪がいる人は多いでしょう。
しかし、人には人の思いや事情というものがあります。自分たちの家族のことで手いっぱい、遠方にいて頻繁に動くことはできないなど……。親族であれば当たり前とあてにしていては、思わぬ落とし穴に陥ることが十分あり得るのです。
もしお願いするとしても、どこまで頼めるのかよくよく確認をしておかなければなりません。ふとしたひと言で関係が悪化しないような配慮も求められます。
親族に頼めるのかを含め、まずは自分できちんと今後のシミュレーションを行いましょう。そして、事情に応じて対策を取ることが先決です。それが、自分の人生を守ることにつながります。
※本記事に登場しているのはすべて架空の人物です。
岡 信太郎
司法書士
※本記事は『「ひとり終活」は備えが9割』(青春出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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