大学受験シーズンも本番。これまでの努力がしっかりと叶うことを願うばかりですが、複雑な心境を抱えている受験生の親も。みていきましょう。
すまん、自分で学費を払ってくれ…月収46万円・49歳のサラリーマン、東京の大学に進学希望の長男に懺悔「こんな父親でごめん」

大学進学費用…アルバイトのほかに、奨学金はありか?

ではいまどきの大学生、収入面を見ていくと、「仕送り」が6万7,650円、「奨学金」が2万0,640円、「アルバイト」が3万2,340円。そのほかの金額を合わせて、合計で12万4,290円です。

 

アルバイトで年間39万円弱。通常の学生の倍は働かないと、自身で学費を払うのは難しそうです。また実際に利用してもらうかどうか、親としても悩むのが「奨学金」。前出の『第58回学生生活実態調査』によると、奨学金受給者は30.8%。返済しなければならない貸与型奨学金を利用しているのが全体の26.2%、返済義務のない給付型奨学金を受給しているのが全体の4.9%でした。

 

お金が足りない世帯をバックアップしてくれる奨学金ですが、借りた後に苦労する話は枚挙にいとまがありません。

 

労働者福祉中央協議会『奨学金や教育費負担に関するアンケート』によると、借入額の平均は300万円強、月々の返済額は1.5万円ほど。平均返済期間は平均14.5年です。大学を卒業した瞬間、300万円の借金を背負い、コツコツと15年ほどかけて返済することになります。

 

若手社員の頃は薄給であることは、お父さん世代は経験済み。月々1.5万円ほどの返済でも負担は大きいことは想像がつくでしょう。実際に奨学金の返済が人生のライフイベントに影響するケースは多く、「結婚」では37.5%、「出産」では31.1%、「持ち家取得」では32.8%と、人生の大イベントにおいて、3割以上の人が「奨学金の返済がなければ……」という思いを抱いています。

 

このような事実も含めて、子どものアルバイトに頼るなり、奨学金に頼るなり、考えていきたいものです。

 

[参考資料]

文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』

文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査』

全国大学生活協同組合連合『第58回学生生活実態調査』

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

労働者福祉中央協議会『奨学金や教育費負担に関するアンケート』