多くは10代の後半から20代前半でスタートし、60歳で終了するサラリーマン人生。そのピークは50代、定年間近に訪れます。しかし、ノリにノッているはずの50代で急ブレーキがかかることも珍しくないようです。50代で訪れる異変……みていきましょう。
おかしい…月収73万円・勝ち組エリート部長「最近、調子が出なくて」部下も心配する〈理想の上司の異変〉、意外な理由

様子のおかしい「エリート部長」…異変の正体は?

――最近、部長の様子がおかしい

 

30代サラリーマンの投稿。上司である部長が最近やたらとため息をつき、「最近、調子が出なくてさ」と口にすることも。役職定年の廃止された会社。出向や配置転換などの噂もなし。部長は同期の中でもいち早く頭角を現したという出世頭で、会社でのポジションは安泰。周囲から慕われる、理想の上司だとか。

 

――プライベートで何かあった?

――娘さんと大喧嘩とか

 

噂が噂を呼んでいるものの、いまのところ原因は分からないのだとか。統計的には、月収で70万円を超えるような、典型的な勝ち組エリート。果たして、モチベーション低下の原因は……本人も周囲も、首を傾げるしかないといいます。

 

ほかに考えられる理由としては健康面でしょうか。たとえば「更年期」。そもそも更年期とは、以下のようなもの。

 

◆更年期症状

更年期に現れる様々な症状の中で他の疾患に起因しないもの

*ほてり、のぼせ、発汗、動悸、頭痛、関節痛、冷え、疲れやすさなどの身体症状及び気分の落ち込み、 意欲低下、イライラ、不眠などの精神症状

◆更年期障害

こうした症状により日常生活に支障を来す状態を指す。なお、男性の更年期障害 については、概ね40歳以降に男性ホルモン(テストステロン)の減少により、女性更年期障害と類似した症状を呈するが、病態が複雑で、まだ十分に解明されていない。

 

出所:厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査 基本集計結果』、産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編 2020、 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群)診療の手引き

 

ここでも記されている通り、更年期は女性だけでなく、男性にもあるもの。厚生労働省の調査では、50代サラリーマンの83.9%が「更年期なんて考えたことはない/疑ったことはない」と回答。一方で、少ないないながらも「更年期障害」と診断されるケースもあるようです。

 

●医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている

…1.7%

●医療機関を受診はしたことがないが、更年期障害を疑ったことがある/疑っている

…10.7%

●自分では気づかなかったが、周囲から更年期障害ではないか、といわれたことがある

…3.1%

●別の病気を疑って医療機関を受診したら、更年期障害の可能性を指摘された

…0.4%

 

サラリーマンとしていよいよ頂点に達する50代。もし「やる気がない、特に原因は見当たらない……」という場合は更年期の疑いも。一度、医師に相談するのも手かもしれません。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年就労条件総合調査』

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

株式会社シーオーメディカル『仕事の意識に関するアンケート』

厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査 基本集計結果』