いつか当たるかもしれない……今年の年末もそんな思いを抱えた人で、宝くじ売り場には行列ができていました。では、実際に高額当選となった人はどのように過ごしているのでしょうか? 夢が叶って悠々自適生活、と想像されがちですが、残念なことに、実際には不幸になる人も少なくないとか……。本記事ではTさんの事例とともに、宝くじ高額当選者のその後について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
「宝くじ1.5億円当たった!」年収560万円の50歳サラリーマン…歓喜も束の間、“まさかの決断”へ。高額当選者がたった数年で「不幸」になりがちなワケ【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

Tさんの当選により2人の関係に異変が…

年末が訪れ、毎年の恒例行事となった宝くじ当選番号の確認をしたところ、異変が。なんと、Tさんが購入した宝くじのなかに1等前後賞(1億5,000万円)があったのです。驚きのあまり膝がガクガクと震えるTさん。何度も番号を確認します。声も出せずに、しばらく放心状態でいたところ、Sさんから電話が入りました。

 

震える手で携帯電話を持つのがやっとの状態で電話にでると、Sさんから、「どうだった? 俺はいつもどおりだったよ」と明るい声が。

 

ですが、会話が続かないTさんに異変を感じ、「え、まさか……」

 

Tさんは正直に1等前後賞が当たったことを告げると、Sさんがすっ飛んできました。

 

何度みても番号が一致。夢が現実となり、Sさんは自分のことのように大喜び。その姿をみたTさんはやっと素直に喜びをあらわにしました。ただし、いまは2人だけの秘密にしようと約束します。

 

年明けすぐにTさんは銀行へ。その日の夕方、2人でいつもどおり居酒屋へ行き、今後のお金の使い道について話をしました。Tさんはもともと生真面目な性格で、ネットの書き込みに、“高額当選しても破産する”という記事をみていたため、このまま黙っておいて、家族にもばれない程度に住宅ローンの繰り上げ返済と子どもの教育費に少しづつ充てようと思う、といいます。

 

一方、Sさんが心苦しそうに口を開きます。「住宅ローンと子どもの大学進学で資金繰りが厳しいから、一時のあいだだけ。少し、お金を貸してくれないか……」

 

Tさんは初めは少々渋りましたが、親友のため、結局はSさんに100万円を貸すことにします。

 

しばらくTさんは出張が続き、Sさんと会うことができずに過ごしていました。2ヵ月が過ぎたころ、ようやく仕事の目途が立ち、Sさんに定例の呑みにいかないかと連絡をとりました。

 

久しぶりに会ったSさんの顔色に違和感を覚え、なにかあったのかと尋ねたところ、Tさんは、借りた100万円の一部を投資にまわしたら、大損したとのこと。申し訳ないが、あと100万円用立ててくれないか、というのです。

 

Tさんは戸惑いながらもほかならぬSさんの頼みだからと、投資をしないようきつく約束させて、もう一度100万円を貸すことにしました。その後、Tさんは駅で偶然別の同級生に会い、驚愕の事実を耳にすることに……