一部の資産家・富裕層にとっては、もはや当たり前になってきている本格的な海外投資。しかし、海外に行けば「夢の金融商品」で出会えるわけではありません。今回は、そうした基本的な部分から改めて考えてみます。

本格的な海外投資ブームが到来しているが・・・

近年、一部の富裕層を中心に、ちょっとした「海外投資ブーム」が起こっています。

 

もちろん、海外に目を向けた投資・貯蓄というものは以前より注目されており、外貨預金や海外の株式・債券を対象とする投資信託などは、その代表格といえます。海外資産を投資対象とする商品は、国内の証券会社や銀行だけでなく、今やゆうちょ銀行などでも取り扱っていますので、それ自体は珍しくも何ともないといえるでしょう。

 

ただ、最近「ブーム」になっている海外投資は、もう少し本格的なものを指します。例えば、実際に香港やシンガポールなどの海外の銀行に足を運んで銀行口座を作る、あるいはその口座を活用して日本国内にはない金融商品を購入するといった行動に乗り出す人々が増えているのです。

 

 

こうした本格的な海外投資が人気を博す理由はいくつも考えられます。

 

世界中を見渡しても稀といえる日本の低金利、長引く不況による株価(=投資商品)の低迷、高額とされる金融商品手数料、円安への期待感、そして高い税率・・・・・・などなど様々なものが喧伝されていますが、こうした問題点・懸念点が「本格的な海外投資なら簡単に払拭できる」というのが、基本的なセールスポイントとなっています。

 

さらに、日本という国の将来に関する漠然とした不安も、本格的な海外投資の利用に拍車をかけているといえるでしょう。「泥船から逃げ出す」とまではいかなくても、ある程度の富裕層であれば「多少の資産は海外に避難させておきたい」と考えるのが、今の状況下では普通の思考回路といえるのかもしれません。

海外投資に向く人、向かない人

確かに、本格的な海外投資を上手に活用すれば、(人や目的によっては)大きなメリットを享受することも可能です。しかし、その一方で、本当に様々な「落とし穴」が待ち構えているのも事実です。

 

その詳細は、本連載の中でも触れていきたいと思いますが、まず、大前提として押さえておきたいことがふたつあります。ひとつは、「海外だからといって、“夢の金融商品”があるわけではない」ということ。そして、もうひとつは「海外投資に向く人、向かない人がいる」ということです。

 

金融商品の期待リターンは、国内であろうと海外であろうと、基本的に取ったリスクに比例します。多くのリターンを得ようと思えば、やはり多くのリスクを取る必要があるわけで、「リスクはほとんどない、リターンは絶大」といった“夢の金融商品”は、海外のどんなマーケットにも存在しません。

 

こういう話をすると「当たり前じゃないか」と感じる人も多いと思いますが、そういう方であっても、実際に海外の金融機関などに足を運び、そこでいわば高ぶった感情のまま様々な説明を受けると、「いやー、やっぱり海外まで来ると夢のような金融商品があるもんだ!」と舞い上がってしまうケースは少なくありません。

 

そんなときでも、心の奥底で「ちょっと待てよ・・・」という気持ちが持てるかどうか。実はこれは、あなたが「本格的な海外投資に向く人」かどうかを判定するひとつの要素でもあるのです(もちろん、重要な要素は他にもたくさんありますが・・・)。

 

 

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