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「~される」を表す形、受動態
「驚いた」は「be動詞 + surprised」…なぜ受動態なのか?
【コラム】英語の伝え方のルール:「旧情報」と「新情報」
英語の情報の伝え方には、「旧情報」を先に、「新情報」をあとに持ってくる※という原則があります。旧情報とは「話題にすでに出てきていること・すでに知っていること」、新情報とは「初めて出てくること」で、この流れで情報を処理することで、ストレスなく話の筋を追うことができます。これが逆になると、聞き手に余計な負担がかかります。
この情報の流れは、語順や文の並べ方に深く関係しています。例えば、When I eat crab, I always get sick. とI always get sick when I eatcrab. はほぼ同じ意味ですが、情報の流れで見ると、前者はすでにカニを食べる話題が出ていて、それを受けて「実は私、カニを食べるとね」と、「カニを食べる(旧情報)」→「いつも気分が悪くなる(新情報)」という流れがあることが考えられます。後者の場合は、具合が悪くなったときの話題が出ていて、「自分はいつも気分が悪くなる(旧情報)」、それは「カニを食べるとき(新情報)」という状況で使われます。
また、能動態のHaruki Murakami wrote this novel. と、受動態のThis novel was written by Haruki Murakami. はほぼ同じ意味ですが、「『ノルウェイの森』は有名な小説です」という文のあとなら、受動態のほうが好ましいと言えます。このThisは、前の文の『ノルウェイの森』を受けているので旧情報、そして著者の名前は初めて明かされる新情報なので、あとに持ってきます。Haruki Murakami wrote ~ . の能動態だと、いきなり新情報から始まるので、聞き手に負荷がかかってしまいます。
このように、どの形式を使うかは、情報伝達のルールによって決まります。よくネイティブが日本人の英文を「英文自体は間違っていないのに、何かぎこちない、文章にまとまりがない」と指摘するのは、実はこの点に問題がある場合も多いのです。
フクチ マミ
マンガイラストレーター
1980年神奈川県生まれ、金沢美術工芸大学卒業。雑誌や書籍、Webでルポ・解説マンガを中心に活躍中。「わかりにくいことを、わかりやすく」説明する手法に定評がある。
おもな著書に『マンガで読む 妊娠・出産の予習BOOK』(大和書房)、『晩ごはん症候群』(
髙橋 基治
東洋英和女学院大学教授。専門は英語教育。「楽しく、わかりやすく、ためになる授業」と評判。教育機関や一般企業からも講演依頼が絶えない。国連英検アドバイザー及び特A級面接官を務めるほか、英語ナレーターとしても活動。
『マンガでおさらい中学英語』シリーズほか、『瞬訳英会話』(アスク出版)、『英語シナリオで楽しむ[ズートピア]』(学研プラス)など著書・監修書多数。
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