老後生活の基盤となる「公的年金」…おおよその受取額を知る方法
現在、多くの企業で60歳を定年としながらも、65歳、70歳と、希望すれば結構な年齢まで働くことのできる環境が整いつつあります。また資産運用をしている人も増え、老後生活を支える資金源はバリエーション豊かになっています。
しかしながら、老後の生活の基盤となるのはやはり公的年金。金融広報中央委員会『令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』によると、「老後の資金源」として、8割以上が「公的年金」と回答しています。
Q.老後における生活資金源は何ですか?(3つまで複数回答)
公的年金:83.5%
企業年金、個人年金、保険金:35.8%
就業による収入:31.4%
金融資産の取崩し:31.3%
利子配当所得:10.6%
不動産収入:5.0%
国や市町村などからの公的援助:4.4%
子どもなどからの援助:1.6%
出所:金融広報中央委員会『令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』より
※世帯主の年令が60歳以上の世帯の回答
――老後の基盤としての年金……自分はどれだけ、もらえるのだろうか?
たとえば50歳のサラリーマン。定年まであと10年と迫り、老後を見据えて色々と考えなければならないタイミング。将来の年金受取額が急に気がかりに。そんなとき、おおよその金額を知る術は大きく2つ。
将来の年金受取額を知る①「ねんきん定期便」をチェックする
毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」。50歳未満であれば、それまでの加入実績に基づく年金の見込額、50歳以上60歳未満であれば、現在の年⾦加⼊制度に60歳まで継続して加⼊したと仮定して、65歳から受け取れる年⾦⾒込額、60歳以上65歳未満は、「ねんきん定期便」の作成時点の年⾦加⼊実績に応じた65歳から受け取れる年⾦⾒込額が記されています。
将来の年金受取額を知る②計算してみる
国民年金の受給額は「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で計算されます。令和5年であれば、「79万5,000×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」となります。
厚生年金の受給額は加入時期によって計算が異なります。
①平成15年3月以前:平均標準報酬月額×7.5/1,000×平成15年3月以前の加入月数
②平成15年4月以後:平均標準報酬額×5.769/1,000×平成15年4月以後の加入月数
「平均標準報酬月額」は、平成15年3月までの被保険者期間の各月の「標準報酬月額」の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で割った金額です。
「平均標準報酬額」は、平成15年4月以後の被保険者期間の各月の「標準報酬月額」と「標準賞与額」の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で割った金額です。