隣人同士で血みどろの争いが頻発!老朽マンション、24年法改正の「建て替え要件緩和」はトラブル未然防止策となるか【弁護士が解説】

隣人同士で血みどろの争いが頻発!老朽マンション、24年法改正の「建て替え要件緩和」はトラブル未然防止策となるか【弁護士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

同じ建物のなかに複数の区分所有者がいる分譲マンション。老朽化などにより、建て替えが必要となっても、金銭的な理由などから現状維持したい人と、立て替えたい派で対立し、血みどろの争いとなるケースも少なくありません。こうしたトラブルを受け、政府は決議要件緩和などと合わせた制度案を近く示し、2024年の通常国会への区分所有法改正案の提出をめざしています。本記事では、24年法改正に向けた老朽マンションの建て替えについて、山村法律事務所の代表弁護士である山村暢彦氏がわかりやすく解説します。

所在等不明区分所有者への対応

もうひとつ改正素案の方向性としては、令和5年民法の改正と同じ方向で、所在不明者への対応内容も検討されています。

 

裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、当該区分所有者(以下「所在等不明区分所有者」という。)以外の区分所有者、管理者又は管理組合法人の請求により、所在等不明区分所有者10及びその議決権を集会の決議から除外することができる旨の裁判(以下「所在等不明区分所有者の除外決定」という。)をすることができる。

 

といった案です。

 

所在不明者は、不動産に関して非常に大きな問題になっていますが、よくあるケースでは、相続人がいない、ないしは見つからないケースや、国外に移住しているケースなどをよく見かけます。また、仮に見つかるとしても、不在者が死亡していた場合、その相続人が非常に多数だと、手続きをとるだけでも非常に煩雑でコストがかかるということも多いです。

 

このため、今回の改正素案のように所在不明者への対応がなされるのは手続きとしては必要かと思う一方、財産権、私有財産への侵害にならないように慎重な手続きを設ける必要もあるので、バランスが必要な部分かと思います。

 

老朽化した分譲マンションの建て替えは、マンション管理組合が機能していないと、何年計画かで体力のある不動産会社が買い取って、権利を整理するなどして対応していた物件もありましたが、今回の改正案でより、老朽化マンションの建て替え、不動産の活用が進むとよいなと思います。

 

 

山村法律事務所

代表弁護士 山村暢彦

 

 

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