会社員生活に疲弊するなかで「いつかは自由に働きたい」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし、その考えを実行に移す前に、「老後のお金」についてしっかり考えておく必要があると、FP Office株式会社の草間栄治FPはいいます。では具体的に、どのような点に気をつけなければならないのでしょうか。スナックを営むおひとり様女性Aさんの事例をもとにみていきましょう。
悔やんでいます…老後の収入は「年金月6万円のみ」68歳・独り身女性の悲痛な嘆き【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

FPがAさんに行った「3つ」の助言

Aさんは藁にも縋る思いでFP事務所へ。「死ぬまで働くからと楽観的に考えて、先々の準備をしてこなかったんです。悔やんでも悔やみきれません……」と下を向きます。

 

FPは、Aさんからひととおり現状について説明を受けたあと、「仕事・生活費・資産運用」の3点について、それぞれアドバイスを行いました。

 

1.仕事

まずお仕事については、体を労り、仕事量を少なくします。ただし、生活費を支える最低限の収入は確保できるようにします。

 

具体的には、現在毎週火曜日~日曜日の19:00~24:00までの営業日数を減らすことを推奨しました。現状、収入21万円に対して生活費が15万円と6万円の黒字であるため、貯金はできなくなるもののこの6万円分の収入を下げることは可能です。

 

さらにその後、懐事情と相談しながら、さらに仕事量を減らします。その際は、収入が生活費をある程度下回っても構いません。ポイントは、いきなり貯蓄から生活費を切り崩す必要がないようにすることです

 

2.生活費

次に、現状15万円かかっている生活費の内訳を見直し、可能な範囲で節約することを提案しました。

 

具体的には、現状、携帯電話の契約が大手キャリアとなっているところを格安スマホに変更することで、月0.5万円節約することができます。また、なんとなく継続していた生命保険を解約することで、月1万円の節約が叶います。

 

3.資産運用

また、人生100年時代のいま、70代、80代、90代と長生きする可能性を考え、すぐに手をつけない預貯金を資産運用に回すことを提案しました。

 

方針としては、来年からの新NISAを含め国内外の株式投資信託を始めます。向こう10年程度は資産を増やすことを重視し、その後、高配当株や債券に投資先を切り替え、年金以外の不労所得を得ることができるようにしていきます。

 

なお、具体的な運用プランは別日に相談することとしました。