会社員生活に疲弊するなかで「いつかは自由に働きたい」と考える人もいるのではないでしょうか。しかし、その考えを実行に移す前に、「老後のお金」についてしっかり考えておく必要があると、FP Office株式会社の草間栄治FPはいいます。では具体的に、どのような点に気をつけなければならないのでしょうか。スナックを営むおひとり様女性Aさんの事例をもとにみていきましょう。
悔やんでいます…老後の収入は「年金月6万円のみ」68歳・独り身女性の悲痛な嘆き【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

自営業・フリーランスの方は早めの「老後対策」を

Aさんのように後悔をしないためには、自営業・フリーランスに適用される社会保険制度をしっかりと理解し、早めに準備をしておく必要があります。

 

会社員と自営業・フリーランスの大きな違いはまず、「厚生年金」の有無です。会社員が加入する厚生年金の平均月額は約14.5万円ですが、自営業・フリーランスの場合、月々の年金は「国民年金」となり、最大で6.5万円。月々の差は、約8万円にのぼります。

※1 参照:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

※2 国民年金基金等の上乗せ制度に未加入の場合。

 

単純計算ではあるものの、Aさんがもし厚生年金加入者で平均的な年金収入があれば、いまの生活費とほぼ同額のため、ここまで悩むことはなかったと予想されます。そのため、自営業・フリーランスの方はNISAやiDeCoなど、会社員の方以上に老後を見据えた準備が必要であるといえます。

 

また、Aさんは「死ぬまで現役」が口癖で、就業不能に陥った場合のリスクヘッジができていませんでした。スナックを開業したときに「もし、こうなったらどうする?」という視点で自分自身のライフプランを考えていれば、今回のような事態は避けられた可能性があります。

 

現在会社員の方であっても、将来的に脱サラをして自営業・フリーランスとして働く道を考えている方は、その仕事内容だけでなく将来的なライフプランやマネープランを立てたうえで、挑戦することをおすすめします。

 

 

草間 栄治

FP Office株式会社

ファイナンシャルプランナー