あらゆるモノの値段が上がるなか「老人ホーム」の費用もアップ
総務省によると2023年9月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が105.7。前年同月比で2.8%の上昇でした。4%台を記録していたころと比べると物価高も落ち着いてきた感はあり、上昇率が3%を下回ったのは22年8月以来、13ヵ月ぶりのことでした。ただ前年同月比での上昇は25ヵ月連続。日銀の目標2%を超える水準が続いています。
ありとあらゆるモノの値段が上がるなか、「老人ホームからの請求額が一気に上がった」と呟く50代男性。要介護4の80代父。老人ホームに入居して5年になるそうです。施設側から事前の説明はあったものの、実際に請求額をみたときは衝撃だったといいます。
TRデータテクノロジーが。定員数ランキング上位500社を対象に価格改定の現状を調査したところによると、月額費の値上げを行った法人は全体の26%。この内、管理費の平均値上げ額は7,570円で値上げ率は22.0%、食費は4,810円、値上げ率は10.1%。前回調査と比較して、値上げ額・値上げ率共に増加したといいます。
また老人ホーム等の月額日別に値上げの状況をみていくと、月額費10万円未満の施設では、値上げ率22.5%、10万~20万円の施設で26.6%、20万~30万円の施設が最も値上げ率が高く27.0%、30万円以上の施設で13.9%となっています。
男性の父親の施設でも値上げを実施。結果、前月よりも5万円近くも高い請求となり、1ヵ月20万円ほど。実は値上げとほぼ同じタイミングで、父の介護度は3から4にあがったことも響いたといいます。
きちんとシミュレーションして、予算的にムリなく入居を続けていける施設を選んだつもりですが、昨今の物価高により遂に老人ホームでも値上げが実施され、当初の予定からだいぶ変わってしまったと男性。最悪の場合を想像して震えが止まらないといいます。