良いことよりも悪いことを言われがちな「日本の公的年金」。とはいえ老後の生活の中心にあるのは、やはり「公的年金」で、だからこそ不平不満が多いのかもしれません。そんな状況に対して、いまどきの若者はどのように考えているのでしょうか。みていきましょう。
平均月14万円…政府「日本の年金制度は100年安心です」と言っているが、いまどき18歳の〈冷静な意見〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の年金は100年安心といわれているが…20年後には年金2割減の現実

――年金100年安心

 

そんな言葉、聞いたことはあるでしょうか? メディアなどでたびたび報じられましたが、言葉だけが一人歩きしている感があり、「100年なんてムリだろ!」と、かえって疑心暗鬼になっている人もいるでしょう。

 

この言葉、正しくいうと「日本の公的年金制度は100年後も維持されますよ」という意味。令和5年、国民年金は満額支給で月額6万6,250円。また厚生労働省の調査によると、厚生年金受給者の平均受給額は、併給の国民年金と合わせて14万円程度。この金額が100年後も維持されるわけではありません。

 

日本の年金制度には、少子高齢化が進んでも維持できるような財政の仕組みが取り入れられています。それが年金の支給額を抑制する「マクロ経済スライド」です。年金額は賃金や物価に応じて上下しますが、年金額の伸びを賃金や物価の上昇ほど大きくならないよう調整しています。そして保険料収入等の財源の範囲内で給付を行いつつ、長期的な財政運営ができるか見通すために、5年に1度行われているのが「財政検証」で、おおむね100年後に年金給付費1年分の積立金を持つことができるよう、年金額の伸びの調整を行う期間を見通しています。ここでマクロ経済による調整がなくても年金財政の均衡を図れると判断された場合には、年金額の調整は終了するとしています。

 

難しい話ですが、以下の3つだけイメージできていればいいでしょう。

 

①ある程度賃金や物価が上昇した場合は調整が入り、年金の給付額の伸びは抑制される 

②賃金や物価の伸びが小さく調整が完全に適用されると年金の名目額が下がる場合は、名目額を下限とし調整。つまり年金額は据え置きとなる

③賃金や物価が下落した場合は、その分、年金の給付額も下げるが、それ以上の引き下げは行われない

 

またマクロ経済スライドによる調整を行う間は、所得代替率は低下します。所得代替率とは、年金を受け取り始める65歳における年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合かを示すもの。2019年度の財政検証では、現役男性の手取り収入は35.7万円に対して、夫婦の国民年金が13.0万円、夫の厚生年金は9.0万円で合計22万円。つまり「所得代替率は61.7%」という結果でした。

 

現在給付水準の下限を所得代替率50%と定めていますが、経済成長と労働参加がしっかり進む最良のケースで2046年に51.9%になるとされています。

 

つまり、いまから20年ほど経った2040年代に「年金は2割ほど目減りする」ということが確実なのです。