夢のマイホームを手に入れる人の平均像とは?
総務省『平成30年 住宅・土地統計調査』によると、日本の持ち家率は6割超。昨今では建築資材の高騰や現場の人手不足などを背景に住宅の平均価格が上昇しており、マイホームを取得するハードルも高まっているとされますが、まだまだ「持ち家派」が多数派であることがわかります。
国土交通省『令和4年度 住宅市場動向調査』でマイホームを実現した人の平均像を物件タイプ別にみてみると、注文住宅を建てた人の平均年齢(世帯主)は39.5歳。世帯年収は731万円で、住宅建築資金総額は5,436万円・借入金は3,772万円でした。住宅ローンの返済期間は建物部分が32.8年、土地が34.5年です。
一方、分譲マンションの一次取得者の平均年齢(世帯主)は39.9歳。世帯年収は923万円で、購入資金は5,048万円・借入金は3,610万円、住宅ローンの返済期間は29.7年でした。
戸建てとマンションで多少の差はありますが、初めてマイホームを手に入れる世帯主は、40歳を前に、物件価格の2~3割に相当する頭金を入れて30年前後・3,000万~4,000万円の住宅ローンを利用している、というのが平均的な姿といえそうです。
マンション購入者の世帯年収が戸建て購入者のそれよりも200万円近く高くなっていますが、これは次々に供給される「億超え」の高級マンションを購入する一部の富裕層が平均を釣り上げているためでしょう。あくまで「一般人」のみに限定すると、マンションの場合も、世帯主の平均年収は700万円台であると考えられます。
融資を断られた人は少なくない
世帯年収700万円台前半の世帯の家計について、総務省『家計調査 家計収支編』(2022年)をみてみると、世帯主の平均月収は41万5,512万円。数千万円のマイホーム購入にあたっては、ほとんどの人が住宅ローンを利用しています。
ただ、住宅ローンには審査があり、すべての人が希望通りの融資を受けられる訳ではありません。
前出の国土交通省の調査によると、「融資額の減額等をしなければ融資不可と言われた」という人が、注文住宅購入者の9.6%、分譲マンション購入者の4.9%おり、また「融資は一切できないと言われた」という人が注文住宅購入者の6.7%、分譲マンション購入者の3.7%に上ります。
収入が少ない、または不安定であることに加え、「勤続年数」「健康状態」「年齢」など、融資を断られてしまう理由はさまざまですが、金融機関は上の項目から総合的に融資の可否を判断しています。年収は低くても、融資額や物件の担保価値によっては融資を行いますし、一方で高年収であっても滞納のリスクが大きい人には「NO」を突き付けるでしょう。
◆注文住宅購入者
・年収:39.4%
・年齢:26.8%
・勤続年数:18.3%
・他の債務の状況や返済履歴:14.1%
・返済負担率:11.3%
◆分譲マンション購入者
・健康状態、わからない:23.1%
・年収:15.4%
・年齢:15.4%
・他の債務の状況や返済履歴:15.4%