夫婦の家事分担…妻が夫と同じくらい稼いでいても「家事は妻が担当」
総務省『家計調査報告(家計収支編)二人以上の世帯』(2022年)によると、共働き世帯の実収入は月平均69万2664円。年収にすると831万1,968円です。また夫のみが働いている専業主婦世帯の実収入は、月平均56万4210円。年収にすると677万0,520円。その差は150万円にもなります。
以前は専業主婦世帯が多数派でしたが、2000年ごろを境に共働き世帯が逆転。その差は広がる一方で、2021年、専業主婦世帯は566世帯に対し、共働き世帯は1,247万世帯。ダブルスコアとなっています。
妻も家計を支える人となった昨今。家事分担についても考え方が大きく変わったかといえば、そうではないようです。
リンナイ株式会社が全国の既婚男女2,350名に対して行った「夫婦の家事分担」に関する調査によると、最も多い回答が「妻9割(女性:34%、男性:28%)」。また家計の収入源別にみていくと、「夫のほうが稼ぐ世帯」では、「妻9割」が最多で33%。一方、「夫婦の収入は同程度の世帯」では「妻7割」が最も多く30%でした。収入差はそれほど関係なく、妻のほうが圧倒的に家事を担当している……そんな一般像がみえてきました。
担当している主な家事を聞いてみると、食事、洗濯、買い物、掃除、育児・介護、家計管理……いずれの項目でも女性が男性を上回り、男性が「やっている」と回答したもので最も多かったのは「掃除」53%、「買い物」50%でした。しかし、食事・洗濯・掃除について担当する具体的な家事を聞くと、男性に多かった回答が掃除では「ごみ袋の取り替え」で37%、食事では「食器洗い・乾燥」で34%、洗濯では「洗濯物を干す(乾かす)」で32%。
ーーんっ、ごみ袋の取り替えって家事なのか?
妻たちの反感をかってしまいそうな夫の「家事、やってます感」が、回答にもあらわれています。
内閣府男女共同参画局『男女のライフスタイルに関する意識調査』によると、夫婦間の家事分担は、「妻が中心となって行うが、夫も手伝う」が54.9%、「妻が行う」が34.6%、「半分ずつ分担する」が7.1%。「家事を行う夫」は増えているかもしれませんが、あくまでも「手伝う対象」。意識においても、明確な男女差が存在します。