こどもや若者を取り巻く現状や課題を把握し、施策立案時の基礎資料とすることを目的とした、内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』。調査対象は10歳~39歳の男女のほか、40歳~69歳の男女。そこからみえてきたのは、定年退職を機に引きこもりとなる人たちの実態でした。みていきましょう。
退職金2,000万円、年金月14万円でも…「毎日テレビばかり観ています。」60代・定年会社員「引きこもり」の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

40~60代…80万人が引きこもり状態にある

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』では、「普段どのくらい外出しますか」の問いに対して、「近所のコンビニなどには出かける」および「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない 」を選択した人を「狭義の引きこもり」、「趣味の用事のときだけ外出する」を選択した人を「準引きこもり」とし、その合計を「広義の引きこもり」としています。

 

それによると、広義の引きこもりの出現率は15~39歳で2.05%、40~69歳で2.97%。40~65歳に限ると、2.02%となります。50人に1人程度の割合で引きこもり状態にある人がいるわけですから、想像しているよりも多いのではないでしょうか。

 

【引きこもりの割合】

◆自室からほとんど出ない

15~39歳…0.06%

40~69歳…0.12

◆自室からは出るが、家からは出ない

15~39歳…0.3%

40~69歳…0.08%

◆近所のコンビニなどには出かける

15~39歳…0.74%

40~69歳…1.55%

◆趣味の用事のときだけ外出する

15~39歳…0.95%

40~69歳…1.23%

 

また「専業主婦(夫)」や「家事手伝い」であったり、家事、育児、介護・看護に追われて、引きこもり状態にある人も。このような人は15~39歳で33.3%、40~69歳で32.9%と、3割を超えます。

 

この調査では年齢幅が広く取られているので一概にいうことはできませんが、各年齢、同じ割合で引きこもりが出現していると仮定すると、「家から出ない引きこもり」は「15~39歳」で11.4万人、「40~69歳」で9.9万人、「近所のコンビニくらいには出かける引きこもり」は「15~39歳」で35.0万人、「40~69歳」で87.3万人いることになります。