サラリーマン引退後の老後生活を支えてくれる年金。「いったいどれくらいもらえるのか」と、気にしている人は多いでしょう。50歳以降は「ねんきん定期便」に記載されるようになる年金の「見込額」をみて「これだけ?」と驚いてしまうサラリーマンは多いようです。ただ、現役時代に「低年金」の未来を認識できていれば、対策は可能かもしれません。詳しくみていきましょう。
平均的な稼ぎの50代・サラリーマン…〈ねんきん定期便〉に記された“見込額”にガッカリ「年金だけじゃ暮らせないかも」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「給料はそれなりのはずだが」…50代サラリーマンを呆然とさせた「年金見込額」

毎年の誕生月に手元に届く「ねんきん定期便」。直近の約1年の年金の加入期間や保険料の納付記録が記載され、節目の年齢には全期間の記録が通知されます。この「ねんきん定期便」に記載された年金額をみて、多くの人が「これしかもらえないの!」と驚いた経験があるのではないでしょうか。

 

それもそのはず、50歳未満の人が受け取る「ねんきん定期便」に記されている年金額は、あくまで「これまでの加入実績」に基づいた額。今後の予想は含まれていないのです。一方で50歳以降になると、現在と同じ水準の給与を60歳まで受け取り続けた場合の年金の「見込額」が記載されるようになります。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(正社員、男女計・学歴計)の推定年収は平均530万円。20代前半で330万円ほどだった年収は、20代後半で400万円台、30代後半で500万円台に乗り、50代後半の640万円まで右肩上がりに上昇していきます。

 

【年齢別「推定年収」の推移】

~19歳:2,574,100 円

20~24歳:3,344,300 円

25~29歳:4,172,200 円

30~34歳:4,754,700 円

35~39歳:5,328,200 円

40~44歳:5,699,400 円

45~49歳:5,980,000 円

50~54歳:6,327,100 円

55~59歳:6,403,000 円

60~64歳: 5,023,300円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』から算出

※数値は正社員・正職員計、男女計、学歴計、企業規模計10人以上

 

55歳で役職定年で給与減となるケースもあり、50代前半で年収のピークは迎えるサラリーマンは珍しくありません。

 

厚生年金の受給額は就職したての頃の給与も反映した「標準報酬月額」に基づいて計算されます。そのため、給与がもっとも高い50代になってから受け取る「ねんきん定期便」に記載された見込額をみて、「給与はそれなりにもらってるはずだけど、年金はこれだけ…?」と、ガッカリしてしまうかもしれません。