こどもや若者を取り巻く現状や課題を把握し、施策立案時の基礎資料とすることを目的とした、内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』。調査対象は10歳~39歳の男女のほか、40歳~69歳の男女。そこからみえてきたのは、定年退職を機に引きこもりとなる人たちの実態でした。みていきましょう。
退職金2,000万円、年金月14万円でも…「毎日テレビばかり観ています。」60代・定年会社員「引きこもり」の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

60代の引きこもり…定年まで頑張った、でも退職を機に家に引きこもるようになった

現在、多くの人が60歳で定年を迎え、およそ3割の人が現役を引退。残り7割の人が雇用形態を変えるなどして、そのまま現役を続行。65歳で公的年金をもらえるようになるのを機に徐々に現役を引退していく……というのがよくあるパターンとなっています。

 

前出のように各年齢、同じ割合で引きこもりが出現していると仮定した場合、60代で家から出なくなってしまった人たちは3万人。近所のコンビニくらいにしか行かなくなった人たちは26万人ほどいると考えられます。また多くが年金をもらう65~69歳に限定すると、家からまったくでない引きこもりが1.5万人、近くのコンビニには出かける引きこもりが13.2万人。合計、15万人ほどの人が、私たちがイメージする引きこもり状態にあると考えられます。

 

40~65歳の人たちに引きこもり状態となった年齢を尋ねたところ、最多は「60~64歳」で21.8%。それに続くのが「65~69歳」で15.4%。さらに引きこもり状態になった主な理由として最も多かったのが「退職をしたこと」で37.3%。年齢別にみていくと「60~64歳」では38.6%、「65~69歳」では52.1%。つまり定年退職、現役引退は、引きこもりとなるトリガーだといえそうです。

 

厚生労働省の調査によると、定年退職時の月収は平均51万円で、退職金は平均2,000万円。また65歳から受け取れる年金は、国民年金と厚生年金を合わせて、平均月14万円です。これらのお金を基に、「定年退職したら、何をしよう」と、色々思い浮かべている人も多いことでしょう。一方で、退職を機に引きこもりになってしまう人も多いのが現状です。

 

そんな引きこもり状態になってしまった元・会社員。家で何をしているのかというと、「テレビを見る」が75.6%。「家事をする」が62.5%、「インターネットをする」が49.1%と続きます。

 

ーー定年した後⁉ 毎日、家でテレビばかり観ています。

 

そんな定年後の毎日。好き好んでそのような状態にいる人もいるでしょうし、望んでいたわけではない人もいるでしょう。特に「仕事人間」という人であれば、現役を引退すると急にやることがなくなり、社会と断絶状態になってしまう……そんなケースは珍しくはありません。引きこもりを望まないのであれば「働けるうちは働く」というのも手かもしれません。