日本の若者の「幸せの基準」をクリアする大人はどれだけいる?
幸せになるために、お金は大切…7割
お金では買えない幸せはありますが、お金がなくてはなかなか幸せはつかめないもの。いまの若者、意外と現実を知っています。ただ、1人暮らしなら500万円、夫婦で900万円、家族4人暮らしで1,600万円あれば幸せ……という若者の答えには、ちょっと苦笑いを浮かべた人も多いのではないでしょうか。
国税庁『令和4年民間給与実態統計調査』によると、企業で働く人(以下、会社員)が1年間に得た平均給与は457.6万円。男性の平均は563.3万円、女性の平均は313.7万円です。
では幸せの条件である「単身で年収500万円以上」という人はどれほどいるのでしょうか?
会社員全体…33.5%
男性会社員…47.4%
女性会社員…14.5%
女性一人で幸せを掴むのは、かなり大変です。さらに年齢別に平均年収をみていきます。会社員全体で年収500万円を超えるのは45歳~59歳。20歳で社会人になるとして、四半世紀もの間、幸せになることを夢みて頑張る……ということになります。また男女別にみていくと、男性では35~64歳で年収500万円超え。女性ではどの年代でも平均値は年収500万円を超えることはありません。平均的な給与であれば、女性は一生1人では幸せはつかめない、ということになります。
また別調査になりますが、厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』で、世帯人数ごとに世帯年収の分布をみていくと、単身者の幸せの基準である「年収500万円以上」は14.9%。夫婦=2人暮らしで「年収900万円以上」は10.7%、夫婦と子ども2人=4人暮らしで「年収1,600万円以上」は2.7~7.5%程度。日本の若者が考える幸せの基準は、相当高いハードルであることが分かります。
この現状を、日本の若者たちに教えたら「えっ、こんなに少ないの⁉」とショックを受けるでしょうか。夢見る若者からすると、日本人の給与には残念感が漂うことでしょう。せめて、いまどきの若者たちに「(給与は少ないけど)幸せだよ」と答えることのできる大人でありたいものです。