「それって、昭和ですか?」と言われたことのある、40代、50代のサラリーマンは多いのではないのでしょうか。終電まで働くなんて当たり前、毎日、会社のために尽くします……そんな昭和的な労働環境が未だに残っているところもあり、悲劇を引き起こしていることも。みていきましょう。
ツライ中間管理職…「月収39万円・40代サラリーマン」に訪れる悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

長時間労働…昭和的働き方は「今や昔」なのか?

ーー24時間、働けますか?

 

バブル世代には懐かしいフレーズ。いまどき、こんなセリフを言うだけで訴えられるでしょう。2022年、日本の労働者1人当たりの年間総実労働時間は1,633時間。1ヵ月あたり136時間、週休2日(22日/1ヵ月労働)だとすると、1日当たり6時間強、働いていることになります。

 

日本の労働時間は緩やかに減少傾向にあります。バブル崩壊後の1993年。総実労働時間は1,920時間。1ヵ月あたり160時間、週休2日で7.2時間。ただ所定内労働時間は減少傾向にあるものの、所定外労働時間、いわゆる残業時間はその時々の景気などにも左右されるため、右肩下がりというわけではありません。2000年以降についてみていくと、2002年~2007年は増加傾向にあったものの、リーマンショック後に減少。その後、2012年からは再び増加し、高止まりといった状況に。コロナ禍で急減したものの、再び増加傾向にあります。

 

またパート・アルバイト以外の一般労働者と、パート・アルバイトで総実労働時間をみていくと、一般労働者は1993年に2,045時間から2022年に1,948時間、100時間ほど減少。対してパート・アルバイトは、1993年1,184時間から955時間と200時間以上の減少しています。この30年、高齢者など短時間勤務のパート・アルバイトが増加。結果、労働時間を押し下げました。言われているほど、日本人の労働時間、減っていないのかもしれません。

 

「過労死等の防止のための対策に関する大綱」において政府は2025年までに、週就業時間が40時間以上の人のうち、さらに就業時間が60時間以上の人の割合を5%未満にするという目標を立てています。この数値、2000年には16.6%だったのが、2022年には8.9%に減少。しかしながら目標までの道は険しく、長時間労働の撲滅には至っていません。

 

また業種別に週60時間以上労働者の割合をみていくと、最多は「運輸業、郵便業」で13.1%。「教育、学習支援業」で8.1%、「建設業」7.5%、「公務」6.6%と続きます。また長時間働いている人が多い業界は、有給取得率も低い傾向にあるといえます。