事業の規模を問わず、法人や個人事業主、副業を行っている人を対象に実施される「税務調査」。もちろん、不動産オーナーも調査の対象になります。本記事では税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が、突然の税務調査にも慌てずに対応できるよう、実際の税務調査の流れや、不動産オーナーが日ごろからチェックしておくべきポイントについて解説します。
税務調査で注意すべきポイントとは
税務調査の際には、非常に多くの書類を用意する必要があります。
総勘定元帳や領収書、請求書など、帳簿を作成するために必要だったものが対象となり、すべて準備するとテーブルの上は一杯になるでしょう。税務調査の日数は個人事業の場合1日、法人の場合2日というケースが多いため、その間、たくさんの書類を置いておくスペースが必要になります。
ここでとても大事なことは、過去の資料がしっかり整理され、揃っているかということ。過去の資料がどこにあるかわからない、紛失したということがないように過去の年度の書類も確認しておきましょう。
調査の対象になる年度は基本的には過去3年分。ただ、継続的な取引について確認が必要となる場合には、過去5年分ということもあります。
税務調査当日、午前中はインタビューが行われます。事業の内容や経緯等、世間話を交えて色々な会話をします。調査官も調査する目的を持ってきているため、そのときに確認したい事項について質問してくることもあれば、世間話のなかで調査すべきポイントを探している場合もあります。
この時間はその後の調査に大きく影響します。事前に準備すべき資料が揃っているかどうか、そしてインタビューも明確な回答ができているかどうかで印象が大きく変わるためです。
その後は実際に準備した書類をチェックする時間になるのですが、調査官の中には、帳簿をほとんど見ずにオフィスを見学したり、業務の流れをチェックするというケースもあります。いずれにしてもその内容を基に最後に帳簿をチェックする流れになるため、現状と帳簿・書類上の状況の整合性が取れているかということも大きなポイントになります。
調査官は基本的には17時には税務署に戻って報告しなければならないため、16時までにはまとめの話をします。ここで調査官が調査した結果、論点となるべきポイントについて聞かされます。この時点ではまだ確認事項という段階であり、後日、その点についてやり取りをしていくことになります。
株式会社LandSitz
代表
1984年生まれ。
不動産業者のウソを見抜き、投資家を守る不動産のウソ発見器。
不動産で安定収入を確保して、「お金の不安から解放されたい人」、「本当にやりたいことを実現したい人」を支援。
祖父(元大手テレビ局取締役)から挑戦と自立を求められてきた家庭に育ち、父のドイツ駐在中(元大手総合商社副本部長)に欧州通貨統合を経験。その影響を肌で実感し、経済学とお金に興味を持つようになる。高校時代には、国際バカロレア(欧州大学入学資格)を2年間かけて取得し、帰国後は立教大学経済学部経済学科に入学。1年時から株式投資を開始。大学卒業後は、学生時代の株式投資に影響され、大手金融系シンクタンク(大和総研)に入社。大和証券・大和総研で11年間勤務後、独立。
大学生時代からクレジットカード、電子マネー、電車の回数券、各種ポイントカードを効果的に使い、少しでも使うお金を減らす努力を開始。株式投資では損失を出し、安定収入を確保できる投資商品を模索した結果、不動産にたどり着く。
「キャッシュフローの確保」を第一優先事項に掲げて不動産投資に挑み、33歳で東京23区主要駅徒歩7分以内の築浅物件を中心に最大で6棟55戸を所有(半数近くがJR山手線内側エリア)することに成功。年間賃料収入約4,400万円、キャッシュフロー1,700万円、総資産6億円超えを達成。借入金利は1.0%。その後、複数回の売買を経て現在は合計3棟33部屋を保有。残債利回り約11.4%で総資産約5億円・純資産は2億円越え。
不動産投資歴は約16年。ビジネスでは少ない労働で収入を最大化することにこだわる。目標は時給10万円。2021年からIPO/PO(年間平均当選:約50回)を中心とした株式投資に参入。学生時代に失敗した分野でリベンジを誓う。
家では、妻と協力しながら家事育児を楽しむ(8歳の長女、4歳の次女、2歳の長男)。財布の紐は固い倹約家。
資格
・宅地建物取引士
・応用情報技術者
・International Baccalaureate
株式会社LandSitz
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載不動産業界から「あなた」を守ります…不動産投資の裏側を知る教科書
税理士事務所エールパートナー
税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー
2014年税理士登録、2015年4月、税理士事務所エールパートナーを開業。経営支援セミナーなどの講師として活躍するほか、行政書士、ファイナンシャルプランナーの資格も保有。特に、開業・独立に関わる税務相談を得意とし、開業準備や税務、会計や決算など、さまざまな分野で顧客を支え、経営者にエールを送る。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載不動産業界から「あなた」を守ります…不動産投資の裏側を知る教科書