人生で一番高い買い物といえるマイホーム。しかし「一生に一度のことだし……」「ずっと住み続ける家だし……」とついつい、予算オーバーになりがち。結局、ローン返済に追われる日々で「何のためのマイホームか」と後悔をするケースが後を絶ちません。みていきましょう。
家を買ったのが不幸の始まり…「年収700万円・30代サラリーマン」生活を一変させた「住宅ローン月返済額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

年収700万円の30代サラリーマン…余裕のある返済プランは?

前述のサラリーマンを例に「いくらの家が買えるか」「いくら住宅ローンを借りられるか」を考えてみます。

 

◆「いくらの家が買える?」年収700万円のサラリーマンの場合

年収倍率5倍→3,500万円

年収倍率7倍→4,900万円

年収倍率10倍→7,000万円

 

◆「いくら住宅ローンを借りられる?」年収700万円のサラリーマンの場合

返済負担率20%→(30年返済と仮定すると)3,180万円(月返済額8.8万円)

返済負担率35%→(30年返済と仮定すると)5,565万円(月返済額15.5万円)

 

(関連記事:『【早見表】年収別「いくらの家が買える?」「いくら借りられる?」…年収倍率/返済負担率/返済額が丸わかり』

 

30代サラリーマンの場合、年収倍率は7倍を少々超えるくらいなので、妥当な物件だといえそうです。問題は返済負担率。前述のシミュレーションどおりであれば33.8%と、上限の35%に近く、かなりのローン負担です。4,000円をケチって同窓会への出席をキャンセルしたり、1,500円の化粧水に愚痴をいったり、200円の牛乳に腰を抜かしたりするのも当然です。

 

このままでは少しの変化でローン滞納→ローン破綻、という道も現実味を帯びてきます。

 

マイホームは一生に一度の買い物だから、絶対失敗は許されませんが、妥協もしたくないもの。そのため、ついつい「いくら借りられるか」で考えがち。ローン滞納、ローン破綻のリスクを考えるなら、「いくらなら返せるか」で考えるほうが安全。返済負担率は20%前後に抑えるのがベストです。

 

そう考えると、年収700万円・30代サラリーマンが借りられるのは3,180万円、月々の返済額は8.8万円程度が妥当。実際に購入した戸建ては5,000万円だといいますから、差額の2,000万円ほどは頭金を用意し、フルローンの活用は避けるべきでした。しかし、すでにマイホーム購入済みですから後戻りはできず、奥さんも働きに出るなどして家計を支えるしか方法はなさそうです。