物流の2024年問題の解決に向けて、再配達回避にポイントを付与する政府案が話題を集めています。その渦中にいる宅配ドライバーの仕事は体力的にも厳しく、それでいて低収入という状況下にあります。みていきましょう。
男性会社員「平均月収35万円」だが…40代の宅配ドライバー、悲惨な給与額に「もうムリ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

再配達回避にポイント付与…2024年問題解決になるか?

物流2024年問題の解決を目指し、政府は「物流革新緊急パッケージ」をまとめました。なかでも宅配便の再配達を半減させるため、置き配やコンビニ配達、ゆとりある配送日を選んだ場合などにポイントを付与する対策が話題になっています。

 

国土交通省では再配達について年に2回、サンプル調査を行っていますが、それによると、2023年4月は11.4%。半年前から0.4%の改善となりました。都市部では12.6%、都市部近郊では10.9%、地方では9.6%と、単身者の多い都市部で再配達率は高い傾向にありますが、徐々にではありますが、数値は改善方向。政府では2024年度に再配達率6%を目指すとしています。

 

荷物の再配達については、以前から宅配ドライバーから悲鳴のような投稿が目立っています。

 

ーー今日、2回目の再配達。それで留守って…ふざけるな!

ーー朝8時から配達しているのに、もう夜の9時を過ぎてる…もう体力の限界

 

一方で、利用者側からも多くの不平不満の投稿が。

 

ーーずっと家にいたのに不在確認票って。なんでチャイムを鳴らさないの!

ーー時間を間違えたのは配達員なのに「再配達はできない」って…ふざけてるの?

 

荷物を届ける側も、受け取る側も、再配達には不満が多い様子。現状よりも半減すれば、そんなストレスも半分になりそうです。

 

そもそも、この再配達問題。ドライバーの残業規制による輸送力不足によるもの。さらにドライバーの高齢化などにより、業界では慢性的な人手不足に陥っており、2030年度の輸送力は2019年度比34%低下するという試算もあります。

 

今回の残業規制は、長時間労働になりがちなドライバーの「労働環境の改善→担い手増」という青写真を描いてのもの。クリーンな環境になれば、志願者も増えるだろうという皮算用をしているわけです。

 

しかしもうひとつ「低賃金」という大問題があります。これが結構やっかいです。「残業時間が減る→労働環境が良くなる→でも残業代がもらえなくなる→給料減」……どんなにホワイトな職場であっても、給与が低ければ、担い手を増やすのも至難の業です。