(※画像はイメージです/PIXTA)

総務省は9月22日、2023年8月の消費者物価指数を発表しました。前年同月より3.1%上昇、23ヵ月連続の上昇です。また、同日、日銀が「物価上昇率2.0%」を目標として実施してきた金融緩和政策の継続を発表しました。数値自体は既に達成され物価高が続いているにもかかわらず、なぜ物価上昇につながる政策を続けるのでしょうか。消費者物価指数という数値がもつ意味と、そこから何が見えるのかについて、解説します。

◆政府の「エネルギー価格抑制策」が全体を引き下げている

生鮮食品及びエネルギーを除いた「コアコアCPI」が前年同月比で4.3%増と、他の指数より高くなっているのが注目されます。これは、政府が電力・都市ガスの小売事業者等に補助金を交付する「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を行い、エネルギー価格が抑えられていることが影響しています。

 

実際、エネルギー価格は前年同月比で全体として-9.8%となっており、消費者物価指数への寄与度は-0.84となっています。特に電気代は-20.9%、都市ガス代は-13.9%と大きく下がっています([図表1]参照)。

 

総務省報道資料(2023年9月22日発表)をもとに作成
[図表1]エネルギー構成品目の前年同月比と寄与度 総務省報道資料(2023年9月22日発表)をもとに作成

 

ただし、灯油(+3.8%)、ガソリン(+7.5%)は値上がりしています。政府は燃料油元売りに対し補助金を交付する「燃料油価格激変緩和対策事業」を行っていますが、ガソリン等の価格高騰に追いついていません。

 

◆エネルギー以外は多くが前年同月より上昇

他方で、生鮮食品を除いた「コアCPI」は前年同月比3.1%増で、「総合CPI」の前年同月比3.2%とほとんど変わりません。ただし、生鮮食品の価格が上昇していないわけではありません。むしろ、生鮮食品は前年同月比プラス5.3%と、大幅に値上がりしています。

 

そうであるにもかかわらず、「総合CPI」と「コアCPI」の差がごくわずかなのは、生鮮食品の全体に占めるウェイトが約4%(1万分の396)と小さいので、全体への寄与度が低いこと(+0.22)が理由です([図表2]参照)。

 

総務省報道資料(2023年9月22日発表)をもとに作成
[図表2]エネルギー以外の主な項目の前年同月比と寄与度 総務省報道資料(2023年9月22日発表)をもとに作成

 

また、「生鮮食品を除く食料」は前年同月比プラス9.2%と、生鮮食品よりさらに激しく値上がりしており、指数上昇への寄与度も+2.08%と高くなっています。その他の項目も軒並み上昇しています。

 

なかでも旅行のホテル代等の「宿泊料」が前年同月比で18.1%と高騰しているのが目を引きます。これは「コロナ明け」モードになり、観光需要が回復し、それとともに人件費も上昇したことと、海外からの旅行客等の需要が高まったこともあいまってのこととみられます。

 

このように、消費者物価指数については、「総合CPI」「コアCPI」「コアコアCPI」を比較すること、および、それぞれの項目ごとの上昇・下落の要因を考察することで、様々なことがわかります。

 

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