賃貸暮らしは本当に「家賃をドブにすてるようなもの」なのか?
賃貸暮らしのデメリットといわれているポイントを冷静に考えていきます。
1. 家賃は単なる消費でしかない
2. 高齢者は賃貸物件を借りづらいため、将来住まいをなくすかもしれない
3. 50歳を超えて持ち家が欲しくなっても住宅ローンが借りにくい
4. 子供にとって「実家」がない
1. 家賃は単なる消費でしかない
家賃は毎月大家に支払うものであり消費という意見も一理あります。しかし新築住宅が消費ではないともいえません。35年後に住宅ローンを完済するとき、建物が健全な状態で保持されているでしょうか。
高額な費用がかかるメンテナンスを怠れば、建物は簡単に劣化し、最悪は解体の憂き目にあうかもしれません。ローコスト住宅ほどその可能性は高くなるでしょう。そうなると持ち家といえども毎月の住宅ローン返済が「消費」であるのは同じです。
2. 高齢者は賃貸物件を借りづらいため、将来住まいをなくすかもしれない
たしかにこれまでは「高齢者の入居はお断り」という物件も多くありました。しかし高齢社会をビジネスチャンスととらえ、高齢者世帯に積極的にアプローチするオーナーも増え始めています。また介護状態となったら自宅で過ごすよりも、老人ホームへの入居を検討するでしょう。住宅の所有形態に関係なく、一生自宅で過ごせるケースばかりではありません。
3. 50歳を超えて持ち家が欲しくなっても住宅ローンが借りにくい
50歳を超えたら住宅ローンを借りにくくなるイメージがありますが、自己資金を用意でき安定した年収があれば門前払いということはありません。金融資産や退職金があり、夫婦の年金が比較的高い世帯であれば、80歳までかけて住宅ローンを返済することも可能です。「30歳が住宅購入の適齢期」というのは自己資金がなくフルローンで購入する場合だけでしょう。
4. 子供にとって「実家」がない
これは単なる価値観の問題です。大昔の日本であれば建物が先祖代々受け継がれ、そこを実家や本家と呼んでいたと思います。しかし現代の日本でその感覚を持つ20代は極めて少数でしょう。親が住んでいる場所が実家なのですから、所有形態は関係ありません。これらの賃貸暮らしのデメリットの反対が、持ち家のメリットとはなりえないことに注目すべきです。