同居する姑と嫁の壮絶なバトル。最近は、同居自体が少なくなってきたので、ドラマのような展開は少なくなってきました。しかし年を重ねるごとに夫の親と同居するケースは増えていき、50代では6人に1人の水準に。そこで繰り広げられる問題とは? みていきましょう。
お義母さん、ごめんなさい…年金14万円・80代の姑「老人ホーム」に入所も50代の嫁、自責の念 (※写真はイメージです/PIXTA)

義母の介護を託される妻たち…限界を感じたときの選択肢

問題は、介護が必要な義母との同居に際し、その介護は誰がするのか? ということ。この場合、「介護をするのは妻」で落ち着くケースが多いようです。

 

夫:俺は仕事があるから。休みの日は俺も手伝うから

妻:手伝うって何よ、あなたのお母さんでしょ

 

そんな夫婦喧嘩が繰り広げられるかもしれません。内閣府『男女共同参画白書 令和2年版』では、育児と介護における男女差について、以下のように述べています。

 

男性は、育児と介護の両方を担う状況が生じた場合に初めて自身の「仕事等時間」を短縮し、その分を家事・育児・介護に振り向けていると考えられる。女性は育児に加えて介護も担う状況が生じても、介護分の負担が時間として純増するのではなく、家族のケア全体の一部として、仕事との時間バランスを大幅に変えることなく生活していることがうかがえる。

 

つまり、自身の親だろうが、配偶者の親だろうが、妻のほうが介護の負担を負いがちということ。50代後半となれば、子育てからは手が離れているでしょうからなおさらです。

 

姑や夫に不満を抱きながら続ける介護生活。しかし介護度が上がると在宅介護も厳しくなっていきます。施設への入所も選択肢になってくるでしょう。ところが昭和の時代、「姥捨て山」と揶揄されていた老人ホームに対しいまだに悪印象を抱く人は多く、現在も「5人に1人は介護施設に良い印象を持っていない」といわれています。姑とはいえ、施設への入所に対しネガティブに考えている人も多いでしょう。

 

――あれほど姑のいない生活を望んでいたのに(涙)

 

姑を介護施設に入居させたことに対し「お義母さん、ごめんなさい」と自責の念に駆られる嫁……そんなケースも珍しくないといいます。しかし実際に施設を見学すると分かるように、いまどきの介護施設には以前の「姥捨て山」のような雰囲気はありません。介護する側もされる側も、何かとピリピリしがちなのであれば、施設への入所をきっかけにほどよい距離感が生まれて、良好な関係になるかも。

 

介護される姑に、介護する嫁。もしお互いにしんどいと感じるのであれば、一緒に介護施設に見学しにいくのも良いかもしれません。