義母の介護を託される妻たち…限界を感じたときの選択肢
問題は、介護が必要な義母との同居に際し、その介護は誰がするのか? ということ。この場合、「介護をするのは妻」で落ち着くケースが多いようです。
夫:俺は仕事があるから。休みの日は俺も手伝うから
妻:手伝うって何よ、あなたのお母さんでしょ
そんな夫婦喧嘩が繰り広げられるかもしれません。内閣府『男女共同参画白書 令和2年版』では、育児と介護における男女差について、以下のように述べています。
つまり、自身の親だろうが、配偶者の親だろうが、妻のほうが介護の負担を負いがちということ。50代後半となれば、子育てからは手が離れているでしょうからなおさらです。
姑や夫に不満を抱きながら続ける介護生活。しかし介護度が上がると在宅介護も厳しくなっていきます。施設への入所も選択肢になってくるでしょう。ところが昭和の時代、「姥捨て山」と揶揄されていた老人ホームに対しいまだに悪印象を抱く人は多く、現在も「5人に1人は介護施設に良い印象を持っていない」といわれています。姑とはいえ、施設への入所に対しネガティブに考えている人も多いでしょう。
――あれほど姑のいない生活を望んでいたのに(涙)
姑を介護施設に入居させたことに対し「お義母さん、ごめんなさい」と自責の念に駆られる嫁……そんなケースも珍しくないといいます。しかし実際に施設を見学すると分かるように、いまどきの介護施設には以前の「姥捨て山」のような雰囲気はありません。介護する側もされる側も、何かとピリピリしがちなのであれば、施設への入所をきっかけにほどよい距離感が生まれて、良好な関係になるかも。
介護される姑に、介護する嫁。もしお互いにしんどいと感じるのであれば、一緒に介護施設に見学しにいくのも良いかもしれません。