世界でも指折りの長寿国である日本。医療の発展と共に、今後ますます平均寿命は延び、人生100年時代の到来も現実的。そこで困らないよう資産形成を進めていく必要がありますが、もし今日が人生最期の日だったなら……みなさんは、どうしますか?
今夜、死ぬとしたら、心残りはありますか?老後資金「2,000万円」を目標にがんばる「日本人の回答」 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本人…長生きしたいわけではないけれど、急に最期が訪れるのは勘弁

人生100年時代。しかし誰もが長生きを望んでいるわけではないようです。

 

公益財団法人 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団が行った『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2023年』によると、「100歳以上まで長生きしたいか」の問いに対して、「したい」は22.0%と少数派。長生きしたい理由で最多は「少しでも長く人生を楽しみたいから」で68.2%でした。

 

一方、長生きしたくない理由のトップは「家族やまわりの人に迷惑をかけたくないから」で59.0%。「身体がだんだんつらくなると思うから」という理由も多く、48.2%。誰もがピンピンコロリの人生であれば長生きしたいと願うでしょうが、そうはいきません。

 

いつ何があるか分からない人生。老後のシミュレーションをしっかりして、万全な状態で迎えても想定通りに事が進むとは限りません。そんな人生に対して、同調査ではこんな質問。

 

――今夜あなたが死ぬとしたら、何か心残りがあるか?

 

「心残りがある」は63.6%、「心残りはない」は36.4%。長生きをしたいわけではないけれど、今夜死ぬ、というのは急すぎる、といったところ。「心残りがある」の回答を年代別にみていくと、「20代」で76.2%、「30代」で73.2%、「40代」で68.5%、「50代」で60.9%、「60代」で51.5%、「70代以上」で54.7%。当然、若い年代ほど心残りがある人の割合が高く、年齢があがるにつれ、心残りがない人の割合は増加します。とはいえ、どんなに年を重ねても、半数以上が人生に心残りを感じていることがわかります。

 

――急に残された家族が生活していけるかどうか……生命保険に入ってないので

 

とは、同じ質問を50代サラリーマンしてしたときの回答。上記調査でも自由記述で心残りの具体的理由を求めたところ、「子どもの成長を見届けられないこと」「子ども の将来が心配」など、子どもに関する記述が多かったとか。ほかにも「身辺整理ができていない」「もっと遊びたい」「結婚したかった」など、ある意味、切実な理由もちらほら。

 

ともあれ、最期は本当に今夜、訪れるかもしれないし、100歳以上生きてから訪れるかもしれません。ただ長寿化が進む日本では、老後のためにしっかりとマネープランをたてておいたほうが心残りは少なそう。長生きに備えておくほうが、何かと都合は良いといえそうです。