1ヵ月あたり1万6,520円の国民年金保険料…30年で月6,000円アップ
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、厚生年金保険に加入していない人は、国民年金の第1号被保険者(自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など)、または第3号被保険者(国民年金の加入者のうち、厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者、かつ年収が130万円未満)です。そのうち、国民年金の第1号被保険者は毎月、保険料を払わないといけません。その額、1ヵ月あたり1万6,520円。これを40年払い満額支給だと、65歳から6万6,250円の老齢厚生年金がもらえます。
ただし保険料も満額支給の場合の老齢年金も2023年度のもの。
仮に現在の保険料額を40年払ったとしたら、総額792万9,600円を納付することになり、単純計算、119ヵ月以上、老齢年金を受け取れば得をすることになります。日本人の平均寿命から考えると、多くの人が払った保険料以上の年金を受け取れる可能性があるということです。
もちろん、年金保険料も年金受給額も、その時々の情勢で変わり、こんなに簡単な話ではありません。そもそも日本の年金制度は「積立方式」ではなく、現役世代がそのときの高齢世代を支える「賦課方式」であることを考えると、損か得かでは正確には語れない部分も大きいでしょう。
しかし、昨今、年金への不信感が高まっているのも事実。たとえば毎月払う年金保険料。2023年度は月16,520円ですが、10年前の2013年度は月1万5,040円、20年前の2003年は月1万3,300円、さらに30年前の1993年度は月1万0,500円でした。
それに対して日本人の給与は、この30年、まったく変化なし。「失われた30年」といわれ、この先も劇的に給与アップがのぞめるかといえば、先細りが見えている日本経済、期待はできないというのが多くの意見。収入は増えないのに、負担ばかりが増えていく……やってられないと、不信感が募るのも仕方がないことかもしれません。