広がる年金への不信感。「将来、年金はいらないから保険料は払わない!」という人も。実際に年金を拒否し、保険料を払わないことはできるのでしょうか?
将来〈年金〉なんていりません!それでも「年金保険料」を払わないといけませんか? (※写真はイメージです/PIXTA)

年金保険料の強制徴収…される/されないの基準は?

――将来、年金をもらう気はありません。それでも年金保険料を払わないといけませんか?

 

そんな書き込み。さらに

 

――年金の保険料なんて払ってらんねぇ! 

 

と勢いのよい書き込みも。実際に保険料の支払いを拒否し続けているという呟きもみられます。しかし、実際に年金保険料の納付を拒否し続けることは可能なのでしょうか。

 

厚生労働省『令和4年度の国民年金の加入・保険料納付状況について』によると、国民年金の最終納付率(納付すべき月数(法定免除・申請全額免除・学生納付特例・納付猶予月数は含まない)に対し、時効前(納付期限から2年以内) までに納付した月数の割合)は80.7%。一方で、未納者(国民年金第1号被保険者で24ヵ月の保険料が未納となっている人)は89万人となっています。

 

保険料の納付が困難な場合などは、「保険料納付猶予制度」や「保険料免除制度」などを利用すればいいのですが、意図的に払わないとなると、滞納処分からの財産の差し押さえとなります。

 

大まかな流れとしては「①電話や書面で催告される」→「②特別催告状が届く」→「③最終催告状が届く」→「④督促状が届く」→「⑤差押予告通知書が届く」→「⑥財産を差し押さえられる」と進みます。

 

そして差し押さえられるのは、まずは「給与」。手取り44万円以下であれば手取り額の4分の1、それを超えると手取り額から33万円を差し引いた額が差し押さえ可能となります。ほかにも、不動産や預貯金残高、66万円を超える現金や宝石・時計など生活必需品以外の動産なども差し押さえの対象となります。

 

では年金保険料を滞納していれば、誰もが差し押さえの対象となるかといえばそうではありません。日本年金機構『令和4年度の業務実績の評価結果(案)』によれば、強制徴収となるのは「控除後所得=手取り年収300万円以上かつ、7ヵ月以上の保険料滞納者」全員です。コロナ禍では強制徴収は注視していましたが、2021年度から徐々に再開。2023年3月末までに18.9万人に対し最終催告状を送付し、自主的な納付がなかった人に対し滞納処分を行い、最終的に1.3万件の差し押さえを実施したといいます。

 

――よーし、手取り300万円以下だから保険料は払わない

 

というのは、少々短絡的。強制徴収は年々厳しくなる傾向にあり、今後、対象は拡大する可能性があります。意図的な滞納はおすすめできません。

 

年金保険料の意図的な滞納。あまりにリスクは大きく、「逃げ切れるか」と問われれば「メリットはない」というのが回答でしょうか。保険料の納付が経済的に厳しいのであれば、相談のうえ、猶予や免除を活用したほうが身のためです。