延滞が続くといよいよ現実味を帯びる「自己破産」
住宅ローンの返済の見通しが立たなくなってしまったら、マイホームの売却を検討せざるを得ません。
その際、物件の資産価値が住宅ローン残債を上回っている「アンダーローン」の状態であれば、問題なく当面の生活費を確保できるでしょう。ただ、反対に売却価格が住宅ローンの残債を下回る「オーバーローン」の場合、売却するためには差額分の現金を自身で調達しなければなりません。
すでに住宅ローンの返済を滞納している場合は、債権者である銀行に了承を得た上で物件を売却し「任意売却」を検討することになります。「任意売却」をしてもローンが残ることはありますが、売却前よりも月々の返済額が小さくなりますし、「ローンを滞納した」「自宅が競売にかけられた」等の情報が外に出回ることもありません。
ローンの滞納が続いていながら何の対処も取らずにいると、金融機関が抵当権者となっている自宅は、「相場の7割程度」の価格で競売にかけられることになります。その売却金額をローンの返済に充て、それでも残った分は一括返済を求められますが、一括返済ができないとなると、残された選択肢は「自己破産」ということになります。
最悪の場合、自己破産に至ることもある住宅ローンの滞納。思わぬ収入減の例として紹介した「リストラ」には、通常は企業が守るべきルールが設定されているため、正社員が「明日から無職」という状態に陥るケースは稀ですが、可能性はゼロではありません。急に無収入の期間が発生してもローンを滞納せずに済むよう、返済期間中にもしっかりと貯蓄ができる、余裕を持ったプランを組む必要がありそうです。