③他者と比較した劣等感や焦り
3つ目の心理的要因は、ほかのトレーダーと比較した際に起こる劣等感や焦りです。いまはSNSで簡単に情報を入手できる時代ですが、この利便性がかえってトレーダーを無駄なトレードに結びつけている可能性があります。
SNS上では「1日で〇〇円稼いだ」や「このトレンドに乗れていないなんてあり得ない」など、トレーダーの心理を煽るような投稿がいくつも存在します。メンタルコントロールが不完全な初心者トレーダーは、このような投稿を目の前にすると、「自分も早く稼がなければ!」という焦りにかられてしまいます。
この他者と比較したときに湧く焦りや不安は、初心者トレーダーの判断能力を鈍らせて無理なトレードへと導いてしまいます。無理なトレードをしようとすると、一発逆転を狙うために普段なら行わないような逆張りをしてしまう傾向があります。
日々のトレードにメリハリを持たせてプロトレーダーを目指そう
初心者トレーダーのわかっていても無理な逆張りをしてしまう心理は、自分が追い込まれているときほど起こりやすくなります。一方で、プロトレーダーがなぜこのような誘惑に対して我慢することができるのかというと、日々のトレードに余裕があるからです。
プロトレーダーは損失に対して敏感なので、一度のトレードで許容する損失額を予め決めてからトレードに臨みます。あらかじめ決められた損失の範囲内でトレードするため、仮に損切りに合ってしまっても心理的に揺さぶられることがありません。対して、我慢ができないトレーダーは、事前にトレードシナリオを立てずに見切り発車でエントリーすることが非常に多いのです。1回のトレードを想定の範囲内で行うことが心の余裕に繋がります。
そして、心の余裕こそがトレードで成果を出すために必要なことです。いま、自分のトレードを見つめ直したときに、無駄な逆張りをして損切りした経験が思い浮かぶ人は、ぜひこれを機にメリハリのあるトレードを意識してみるといいでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント
執行役員