「棚卸資産」の評価は調整可能
節税の方法として、意外と注目されていないものが「棚卸資産」です。本来、棚卸資産は販売をスムーズにするための資産であり、節税目的で使うものでもなく、また特別に節税効果がある資産ではありませんが、それでも棚卸資産の評価を調整することで、節税対策を行う方法があります。
棚卸資産というのは、在庫の状況などに応じて次のような分類方法があります。
●商品・・・・・取引先から仕入れた完成品の在庫
●製品・・・・・自社製品の完成品
●原材料・・・・取引先から仕入れた原材料の在庫
●半製品・・・・生産途中の未完成品だが販売できるもの
●仕掛品・・・・生産途中の未完成品で販売できないもの
●貯蔵品・・・・荷造り用品、事務用消耗品、生産ラインの消耗品など
棚卸資産は小さくするのがトレンド
これらの棚卸資産は通常期末に評価されて「貸借対照表」の中の「資産」の項目に入ります。棚卸資産が膨大になってしまうのは、棚卸資産が現金化されるのに時間がかかったり、営業努力などが必要になるために、経営上はあまり好ましいものではありません。
さらに、商品の陳腐化や劣化などによって現金化できないケースもあり、最近の傾向として、極端に在庫=棚卸資産を小さくすることが優良な経営といわれています。そういう意味でも棚卸資産の取り扱いには注意したいものです。