コロナ明け、久々に実家に帰省したら、想像以上に親は年を取り、ふと親の今後を不安に思った……そんな経験をした人も多いでしょう。「親の介護問題」。実家暮らしだと何かと不自由なので「介護施設への入居」も有力な選択肢になります。通常「親の年金と貯蓄」で賄うものですが、子を巻き込んだ騒動に発展することも。みていきましょう。
年金「月14万円」…「老人ホームの請求額」めぐり〈子、激怒〉のワケ (写真はイメージです/PIXTA)

話と違うじゃない!老人ホームからの請求額に驚愕

老人ホームについては、よくこんなトラブルが起きがち。入居する親に代わり、通帳などを管理している子どもが、老人ホームからの請求額に激怒するというものです。

 

――パンフレットで案内されていた額よりも、10万円も多く引かれてる! こんなのぼったくりだ!

 

介護施設のパンフレットになどには、想定する月額費用がかかれているもの。その費用よりも、だいぶ多く請求されているというトラブルが起きがちです。

 

有料老人ホームは主に「介護サービス費」と「生活費」が毎月かかります。介護サービス費は介護度によってある程度費用は決まってくるので、大きなズレはありません。問題は居住費や光熱費、食費などが該当する「生活費」。「レクリエーション費用」等は別途上乗せになることがあり、「聞いてない!」と施設とトラブルになりがちです。何が費用内で賄えるのか、何が費用の対象外(上乗せされるのか)、子どもたちもしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

 

また昨今のインフレは介護施設の運営にも大きな影響を与えています。許容範囲を超え限界、値上げもやむを得ないというケースも。2022年、約23%の介護施設が値上げしたという報告もあります。そうなると入居前のシミュレーション通りにいかず、費用が足りなくなるということも珍しくありません。そうなると、予算内となる施設に転居するほか、親自身が無理なら子が負担するという選択肢もあるでしょう。しかし、話はだいぶややこしくなります。

 

――うちは、子どもが大学受験で色々とお金がかかるから

――うちだって、ローンがあるし

――あんたのほうが年収高いでしょ!

 

前述の調査で、親の介護に対して不安なこととして「経済的なこと」が上位にあがっていましたが、「自分たちの生活だけで精一杯で、とても親の面倒なんて」というのが本音。特にきょうだいがいれば、誰が負担するかで大喧嘩というのもよくある話です。

 

高齢化に伴い、介護施設のバリエーションは増え、自身の予算に合わせて選択できるようになりつつあります(人気が高く、施設によっては入居待ちの長い行列が……という別問題もありますが)。経済的に余裕がなくても、入居を検討できる施設もあります。子に経済的な不安を与えぬよう、しっかりとしたシミュレーションのもと、施設を選択することが重要です。