「保険を見直すなら“ねんきん定期便”を持ってきて」…FPが56歳夫婦にした“謎のお願い”の理由【FPが解説】

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「保険を見直すなら“ねんきん定期便”を持ってきて」…FPが56歳夫婦にした“謎のお願い”の理由【FPが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

生命保険の見直しをしようとFP事務所を訪ねた田淵夫妻(仮名)。夫の章さんは60歳、妻の綾子さんは56歳で、2人のお子様はすでに成人し独立しています。相談を受けた株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役の山中伸枝ファイナンシャルプランナーは、田淵夫妻に「ねんきん定期便」を持参するようお願いしました。そのワケとは? 詳しくみていきましょう。

田淵夫妻の「遺族年金受給額」は…

3つ目の年金の機能を説明する前に、さっそく田淵夫妻に持参いただいた、ねんきん定期便から遺族年金受給額を試算していきましょう。

 

出所:田淵様のねんきん定期便をもとに、筆者が必要事項のみ抜粋して作成。
[図表1]夫・章さんのねんきん定期便 出所:田淵様のねんきん定期便をもとに、筆者が必要事項のみ抜粋して作成。

 

章さんは長年会社員をしてきましたが、定年後は経営コンサルタントとして働く予定だそう。今回はそれを前提に“万が一の保険”の額を計算します。

 

会社勤めで定年退職を予定している方は、まず「受給資格期間」が300ヵ月(25年)を超えていることを確認してください。もしそれ以下であれば、厚生年金から支給される遺族厚生年金が受けられないからです。[図表1]の受給資格期間を見ると章さんは470ヵ月ありますので、綾子さんは遺族厚生年金を受けることができます。

 

遺族厚生年金の金額は章さんの老齢厚生年金の75%となりますから、約83万円です。さらに、綾子さんが65歳になるまでは「中高齢寡婦加算」が約60万円支給されます。したがって、万が一、夫の章さんが先に亡くなってしまった場合、合計143万円が国から支給されるということがわかりました。

 

もし田淵夫妻のお子様が18歳以下であればこれに加え「遺族基礎年金」も支給されますが、すでに2人のお子様はどちらも成人されているため、受けることはできません。

 

奥様が65歳になると、遺族厚生年金は奥様の老齢厚生年金と調整されます。したがって、次は奥様のねんきん定期便を見ていきましょう。

 

出所:田淵様のねんきん定期便をもとに、筆者が必要事項のみ抜粋して作成。
[図表2]妻・綾子さんのねんきん定期便 出所:田淵様のねんきん定期便をもとに、筆者が必要事項のみ抜粋して作成。

 

[図表2]の「老齢厚生年金」を見ると、綾子さんの老齢厚生年金額は9万5,000円であることがわかります。一方先述のように、章さんが死亡した場合の遺族厚生年金受給額は83万円ほど。

 

綾子さんが65歳になり、調整されたあとの年金は、この9万5,000円の老齢厚生年金と73万5,000円の遺族厚生年金を合わせて83万円となる見込みです。金額は調整前と変わりませんが、内訳が変わっています。遺族年金は非課税ですが、老齢年金は課税対象ですので、額面が同じでも手取りが変わることがあるため注意が必要です。

 

ここまでで、もしも章さんが亡くなった場合、綾子さんは65歳になるまでは143万円、その後は160万円が国から支給されるということがわかりました。

 

妻・綾子さんが先に亡くなった場合、夫はいくら受け取れる?

では反対に、先に綾子さんが亡くなった場合、夫の章さんは遺族年金としていくら受け取れるのでしょうか。

 

綾子さんも過去のお勤め経験から老齢厚生年金があるため、計算上はこの75%が遺族厚生年金となるはずです。しかし、章さんの老齢厚生年金に吸収されるため、実際には遺族年金はまったく受けられません。つまり、妻亡き後、章さんが国から受け取れるのは老齢年金の約188万円のみとなります。

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。