日本の高齢者率は、2023年4月時点で29.0%。日本人の3人に1人は65歳以上という水準です。そんな高齢者、口を揃えて「悠々自適自適な老後を送っているよ」と言ってくれたなら希望がありますが、現実はなかなか厳しいようです。みていきましょう。
年金月14万円だが…日本の高齢者〈2人に1人は生活苦〉の絶望 (写真はイメージです/PIXTA)

高齢者「新しい下着なんてこの1年、買ってないわね」

さらに厚生労働省『家庭の生活実態及び生活意識に関する調査』で、高齢者の暮らしについてみていきましょう。たとえば「下着の購入回数」。「1年に1、2回程度、新しい下着を買っている」という高齢者世帯は64%。さらに「下着はほとんど購入しない」は10%。古い下着を使い続ける、日本の高齢者……ただこの結果は「高齢者は物持ちが良いだけでは」ということかもしれません。

 

では「食料が買えない経験」についてみていきましょう。「食料が買えないことが何度もあった」は、高齢者世帯の2%、「ときどきあった」は7%と、およそ10世帯に1世帯の水準。これを前述の高齢者世帯数に当てはめると、実に225万もの高齢者世帯が「お金がなく食べ物が買えない経験をしてます」ということになります。そして「生活が苦しい(「大変苦しい」「やや苦しい」の合計)」と回答したのは、実に50%。高齢者世帯の半数は生活苦にあるといえるのです。

 

もちろん生活苦の感じ方は人それぞれ。ただ日本の高齢者の多くに余裕がないのは確かです。豊かな老後のためには自助努力が必要と、幾度となくプレッシャーを与えられている現役世代。悠々自適な老後を手に入れるのは、かなり高いハードルだといえることに、嫌気が指すかもしれません。それでも自助努力を続けなければ、老後はいっそう、苦しいものになってしまいます。