初めてマイホームを購入する人の平均年齢はだいたい40歳といわれていますが、地方公務員の中には、20代で新築マイホームを実現する人が珍しくありません。信用力の高さから、金融機関も前のめりになって住宅ローンを貸してくれるためです。しかし、融資担当者の勧めるままのプランでローンを組んでしまえば、家計が苦しくなることは明らかです。医療費などの突発的な出費が発生すれば、あっという間に「ローン破産」に陥るリスクも。地方公務員の給料事情と住宅ローン契約時に意識したいポイントをみていきましょう。
28歳・地方公務員“フルローン”で家を買う…借り入れ総額は〈年収の10倍〉。昇給が先か、「ローン破産」が先か (※写真はイメージです/PIXTA)

公務員なら「フルローンでいける」といわれるが…給与はいくら?

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』で新築注文住宅の世帯主(一次取得者)の平均年齢をみてみると、39.5歳。日本ではだいたい40歳前後でマイホーム購入を検討するのが一般的ということです。

 

一方、地方公務員の場合は20代で新築マイホームを実現することも珍しくありません。

 

地方公務員であれば、現在の収入はもちろん、その後の収入もある程度予測できますから、普通の会社員に比べて信用力は格段上。希望額にもよるものの、年収の8~10倍程度の水準の「フルローン」を組むこともできるといいます。

 

総務省『令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果』によると、地方公務員(一般行政職)の平均給与は月40万1,372円。大卒者(試験)の初任給は18万3,700円+諸手当となります。同調査では、地方公務員の年齢ごとの給与テーブルも公表されています。下の表をみると、3年ごとにコンスタントに昇給する仕組みになっていることがわかります。

 

ただ、ここに賞与や諸手当がプラスされることを考慮しても、平均給料月額は20代後半で23万円台、30代後半で29万円台と、それほど高くないというのが事実。それでも、地方公務員なら20代にして年収の8~10倍、20代後半で3,000万円超のフルローンを組めるということですから、公務員の信用力がいかに高いかがわかります。

 

【年齢別:公務員(一般行政職)の給与】

18~19歳:154,509円

20~23歳:181,448円

24~27歳:206,117円

28~31歳:234,204円

32~35歳:263,976円

36~39歳:296,903円

40~43歳:334,699円

44~47歳:362,589円

48~51歳:381,883円

52~55歳:397,326円

56~59歳:409,102円

 

出所:総務省『令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果』より