日本は世界でも「低失業率」だが…
日本は世界でも失業率の低い国として知られています。ILO、国際労働機関の調査結果から、各国の「大卒失業率」をみていくと、調査対象147ヵ国で最も失業率が高いのが「パレスチナ」で31.88%。大学を卒業していても3割は仕事がないという状況です。
政情が不安定な国が上位を占めますが、G20(数値があるのは18ヵ国)の国だけに限定すると、最も高いのが「南アフリカ」で16.11%。G7だけに絞ると「カナダ」が最も高く5.92%。「日本」は2.47%でG7では「ドイツ」2.42%に次いで低い数字です。
【G20「大卒失業率」上位10】
1位「南アフリカ」16.11%(15)
2位「インド」15.73%(17)*2
3位「トルコ」12.45%(28)
4位「サウジアラビア」8.79%(45)
5位「ブラジル」7.52%(55)
6位「カナダ」5.92%(70)
7位「フランス」5.3%(78)
8位「イタリア」5.05%(81)
9位「メキシコ」4.72%(86)
10位「ロシア」4.66%(87)
17位「日本」2.47%(131)*1
出所:ILO(2021年) 資料:GLOBAL NOTE
*1:2020年数値 *2:2019年数値
※(かっこ)内数値は調査147ヵ国を対象とした順位
日本は世界の中でも「大学を卒業したら安定した職に就ける国」だといえるでしょう。ただそうではなかった時代が日本にはありました。俗にいう「就職氷河期」で、バブル崩壊後の1993年から2005年あたりに就職率は大きく低迷。このとき学卒で就職活動に差し掛かった人たちを「氷河期世代」といいます。
文部科学省『学校基本調査』によれば、就職率が最悪だったのは2003年で55.1%。大卒に限ると2000年、「就職も進学もできなかった」という学卒無業者が22.5%と、5人に1人以上の水準でした。