「電気」も「ガス」も「水道」も…値上げが止まらない
人が生きていくのに欠かせない、電気・ガス・水道。昨今の値上げラッシュのなか、これらの費用はどうなっているのか、総務省統計局『小売物価統計調査』でみていきます。
まず電気代。2023年6月は全国平均は12,903円(従量電灯/最低料金制/441kWh)。昨今の燃料上昇によって電気代は高騰。一方で、政府の負担軽減策によって、家庭向けで1キロワットアワー当たり7円が補助されていることから、今年2月に電気代は大きく値下げとなりました。一方で電力各社は値上げを申請。6月から規制料金を値上げすることになり、値上げ幅は東京電力で平均15.9%、最も値上げ率が大きい北陸電力で平均39.7%。さらに負担軽減策は9月の使用分までで、その後は未定。10月からさらに値上げになるのか、動向が注目されます(図表1)。
次にガス代。都市ガスの2023年6月は全国平均は7,292円(一般家庭用/1465.12MJ))。都市ガス大手の東京ガスと大阪ガスは、原料価格の高騰を背景に1月のガス料金を値上げしました。ただ1月以降の使用分(2月以降の請求分)からは、国の負担緩和策(電気・ガス価格激変緩和対策事業)が適用されることから値下げ傾向に。ただし原料価格の上昇など不安材料もあり、今後は値上げに振れる可能性も指摘されています(図表2)。
そして水道。2023年6月は全国平均は2,832円(計量制/専用給水装置(専用栓)一般用20m3)。水道料金は昨今の原料価格高騰とは無関係ではあるものの、長期的な視点で値上げ傾向にあります。要因は大きく2つ。まず人口減少による料金収入の減少。もうひとつが老朽化した設備の更新によるコスト増。人口減で収入は減る一方なのに、水道管などの設備は老朽化。設備の更新分が利用料金に上乗せされていくというわけです。財政が厳しい自治体ほど、水道料金の負担はますます重くなると懸念されています(図表3)。
水と安全はタダ……そういわれていたのは昔の話。水道代でさえも値上げを気にしなければいけない状況です。