残された遺族に対して支給される「遺族年金」ですが、サラリーマンの妻と自営業の妻では大きな差があります。なかには同じ遺族という立場でありながら、遺族年金の支給対象外というケースも。みていきましょう。
夫・急逝でまさかの「遺族年金額」…崩れ落ちてく〈50歳・妻〉の老後プラン「これから、どう生きていけと」 (写真はイメージです/PIXTA)

自営業の夫を亡くした妻…65歳で手にする年金額

「自営業」×「子どものいない夫婦」が直面する、一家の働き手が亡くなったうえに、遺族年金の対象外の可能性が高いというダブルの悲劇。

 

亡くなった夫が国民年金の保険料を10年以上支払い、その夫との婚姻期間が10年以上ある、などのの条件を満たした場合、妻は「寡婦年金」を60歳から65歳まで受け取ることができます。「寡婦年金」の支給額は、夫がもらえるはずであった老齢基礎年金の4分の3。夫が30年間、保険料を支払っていれば65歳から受給できた年金額は月4.9万円ほど。その4分の3である月3.7万円、5年間で220万円ほどの寡婦年金を妻は手にできると考えられます。

 

そして65歳以降は、自身の老齢基礎年金の受け取りが始まります。満額であれば月6.6万円。仮に妻も大学卒業後に30歳まで会社員を続け、結婚後に夫とともに自営業として頑張ってきたとします。会社員時代の給与は平均的なものだとすると、手にできる老齢厚生年金は年間14.7万円、月に1.2万円ほど。老齢基礎年金と合わせても月8万円程度です。もし遺族厚生年金の受給をあり、かつ自身の老齢厚生年金より年金額が高い場合は、その差額を受けることができます。

 

「自営業」×「子どものいない夫婦」の場合、ライフスタイルにもよりますが「一生、働かないと生きていけない……」、そんな未来がかなり現実的です。

 

――これから、どう生きていけと…

 

遺された家族が悲惨な末路を辿らないためにも、もしもの備えはしておきたいもの。公益財団法人生命保険文化センター『2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査』によると、「夫婦の生命保険への加入(個人年金保険を含む)」は、「世帯主・配偶者共に加入」が78.3%。「世帯年間払込保険料」は平均37.1万円、「普通死亡保険金」は平均2,027万円です。

 

どのような保障が必要か、またどのように備えるかは人それぞれ。ただ遺された家族が「暮らしていけない」「一生、働かないと生きていけない」ということのないよう、万が一のことにはきちんと備えておきたいものです。