高さ60メートル超え、20階以上の高層マンションであるタワーマンション。以前は富の象徴として富裕層から支持を集め、段々と一般層にも人気が広がりました。昨今は終の棲家として、高齢者の購入も目立つといいます。しかし、思惑通りにいくとは限らないようです。みていきましょう。
2030年「タワマン大崩壊」…60代高齢者夫婦も後悔する「あまりに酷い現実」 (写真はイメージです/PIXTA)

心配された「タワマン2022年問題」はどうなった?

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』によると、民間住宅購入者(世帯主)の平均年齢は44.8歳。注文住宅(平均年齢43.8歳)や分譲戸建て住宅(平均年齢39.5歳)より高齢です。理由のひとつとして考えられるのが、新築マンションの価格高騰。

 

不動産経済研究所によると、今年上半期、東京23区の平均価格は1億3,000万円に迫り、過去最高値を記録。ほかのエリアでも軒並み上昇しました。工事費や土地代の高騰が続いていて、今後も上昇傾向は変わらないといわれています。マンションは立地を最優先して建てられることが多く、周辺の住宅相場のなかでも高め。そうなると「もう少し年収が上がらないと購入に踏み切れない」とか「もう少し頭金を貯めないと検討できない」などとハードルが上がり、購入者の年齢層も上がりがちになります。

 

一方、昨今の新築マンションの平均価格は、タワマンの販売動向に大きく左右されがち。首都圏の各地域で価格上昇を記録していますが、唯一、「埼玉県」は前年同期比14.7%下落の平均5,019万円となりました。これは前年にタワーマンションが多く販売されたことの反動減。周辺物件よりも2~3割程度高くなるとされるタワーマンションですが、その販売状況によって新築マンションの平均価格は大きく変わるのです。

 

そんなタワマンですが、昨年「2022年問題」が囁かれていました。これは、2020年開催予定の東京五輪が2021年に延期されたものの、それが終われば不動産価格は下落は必至で、なかでもプレミアム感からほかよりも高く売買されるタワマンの下落は顕著になるだろう……とされていたものです。

 

ただ、いまのところ不動産価格の下落は予兆すら見られず、「タワマン価格大暴落」は杞憂で終わった、といえそうです。