若年層ほど、新NISAなどの制度を活用して資産形成の第一歩を踏み出す必要があります。本稿では、ニッセイ基礎研究所の 熊紫云氏が、国内債券型・国内株式型・米国株式型など、パターンごとに投資のシミュレーションを行います。
新NISAでは何にどのように投資したら良いのか-長期の資産形成ではリスクよりもリターンを気にすべき (写真はイメージです/PIXTA)

投資における「リスク」との賢い付き合い方

一般的に、投資のリターンは利息や配当等のインカム収益や値上がり、値下がりといった投資成果としてイメージしやすいのではないだろうか。

 

一方、投資のリスクはイメージすることが難しく、個人によって理解が異なると思われる。

 

辞書ではリスクが「危険、損失や不確実性」とよく説明されているので、多くの人はリスクを負うことは「危険」を冒すことに等しいと捉え、リスクは回避すべきものとして、通常の社会生活では、リスクをほとんど取らないことが多く、それはそれで正しい対応だと思う。

 

しかし、投資のリスクは一般的な社会生活での回避すべきリスクとは異なる。

 

老後資金、住宅資金等といった長期的な資産形成においては、過度にリスクを恐れてリスクを取らずに資産形成することは、リターンを得られないことに直結する。このレポートで説明した通り、必要なリスクを取らないことが長期的な資産形成においては本当のリスクになるのではないだろうか。

 

若い人の老後資金等、資産形成における投資期間が長い人は、十分な資金を形成するという目的に向けて第一歩を踏み出し、適切な投資対象選別や十分な資産・銘柄分散等を前提に、合理的で十分なリスクを取ってリターンを取りに行く勇気を持つことが大切であると思う。

 

いずれにせよ、将来の資産形成に向けて新NISAを大いに活用して、より良い資産形成ができることを期待したい。このレポートが少しでもお役に立てば幸いである。