ネット環境が十分に発達した現代では、遊牧民を意味する「nomad」と働く人「worker」を組み合わせたノマドワーカーという働き方が存在します。FXはネット環境さえあればトレードすることができるため、理論上はFXを生業としてノマドワークをすることが可能です。しかし、FXは誰でも簡単に稼げるわけではできません。本記事では株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が、FXでノマドワークするも失敗したトレーダーの事例とともに、FXでノマドワークを達成するために知っておくべきことについて解説します。
「早く稼げる」という甘い誘いにのった「脱サラ・FX専業トレーダー」の末路【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

資金の回転が早いFXのデメリット

FXは、少ない元手でもレバレッジをかけることによって元手以上の資金を運用できます。そのため、現物の株式投資や投資信託よりも稼ぐスピードを早くすることができます。資金の回転が非常に早いということが、FXの最大のメリットです。

 

しかし、メリットだけに着目していては、いざというときに大きな損失を被ってしまう可能性があります。FXは資金の回転が早い分、間違った運用方法をしてしまうと、ほかの投資以上の早さで資金を無くす可能性があります。世界経済の急な変動が起きたときに、多くのFX初心者が市場から退場してしまうのは、FXのデメリットと真剣に向き合っていない結果であることがわかります。

 

特にノマドワーカーとしてFXを生業として生活していくには、必ずFXのデメリットと向き合う必要があります。「早く稼げる」という前向きな情報だけでなく、「急激に資産が減る恐れがある」というリスクと真剣に向き合えるかどうかで、その後の収益に大きな差が出るでしょう。トレーダーである以上、FXのデメリットも認識することが非常に大切です。

リスクも把握してプロトレーダーを目指す

プロトレーダーで、リスク管理が杜撰なトレードを行う人はいません。どのような場面でも、そのときの自分の心理状態を適切に判断し、最低限のリスクで最大限の利益を得るためのトレードを行います。今回紹介した働く場所に縛られないノマドワークは、FXであれば叶えることができます。

 

しかし、レバレッジを掛けて大きな金額を運用する以上、FXのリスクをしっかりと把握しなければなりません。FXのリスクをわかった気になって、必要以上にロットを上げて取引する初心者トレーダーが存在します。本当にFXのリスクがわかっていれば、そのような無理なトレードはしないはずです。

 

月単位で見て収益がなかなか改善しない人は、自分が引き受けているリスクがどれほどのものなのか振り返ってみましょう。正しくリスク管理することで、自分のトレードに関する新しい発見があるかもしれません。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 

執行役員