ネット環境が十分に発達した現代では、遊牧民を意味する「nomad」と働く人「worker」を組み合わせたノマドワーカーという働き方が存在します。FXはネット環境さえあればトレードすることができるため、理論上はFXを生業としてノマドワークをすることが可能です。しかし、FXは誰でも簡単に稼げるわけではできません。本記事では株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が、FXでノマドワークするも失敗したトレーダーの事例とともに、FXでノマドワークを達成するために知っておくべきことについて解説します。
「早く稼げる」という甘い誘いにのった「脱サラ・FX専業トレーダー」の末路【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

ノマドワーカーを夢見たFXトレーダーの失敗談

会社に縛られずに好きな場所で好きな時間に仕事がしたいと思う人は多くいるでしょう。ノマドワークは、そんな脱会社を目指す人達にとって憧れの働き方です。FXはネット環境さえ整っていればどこでも好きな時間にトレードすることができるので、ノマドワークを実現させるための選択肢のひとつです。

 

しかし、FXのリスクをしっかり把握していないとノマドワークを実現できないのはもちろんのこと、私生活にも悪影響をおよぼす可能性があります。

 

会社を辞めてFX専業トレーダーになったが…

FX歴3年のAさんは直近数ヵ月のトレードが好調で、トレード資金もうなぎのぼりでした。会社員の傍ら副業として行っていたFXでしたが、ここ最近の成績を振り返って、Aさんは専業として独立することを決心しました。以前から会社に縛られない働き方に憧れを感じていたAさんにとって、FXで独立することは夢のようなできごとです。

 

その後、Aさんは会社をやめて独立します。自由な時間と自由な労働環境を得たAさんは夢のような生活を送っていました。しかしある日、世界中の誰もが予測していないような経済的大事件が起こります。為替市場も株式市場も激しい値動きに見舞われ、Aさんも例外なく大きな価格変動に巻き込まれてしまいます。

 

資金の回転率を上げるため副業時代よりも取引ロットを上げていたAさんは、経験したことのない金額の損切りをしてしまいます。FXを行うための資金がショートし、会社を辞めて安定した収入を得られていないAさんは途方に暮れてしまうのです。

FXでノマドワークを実現するための条件

FXでノマドワークを実現させるためには、余裕のある資産とゆとりのある資金計画が必須です。余裕のある資産とは、仮に相場全体で暴落があったとしても、私生活を十分に過ごせるだけの貯蓄があることです。いまはFXで稼げていたとしても、同じ手法が数年後も通用するとは限りません。

 

プロトレーダーは資産を分散させることに重きをおいていて、FXだけに資金をつぎ込むようなことはしていません。また、ゆとりのある資金計画とは、自分のキャパシティを超えたトレードを行わないことを指します。初心者トレーダーにありがちなのが、急いで利益をあげようとするあまりに、普段の倍近いロットでトレードしてしまうことです。

 

このような場合、ほとんどの人が含み損に耐えられず、かえって大きな損失を招いてしまいます。FXでノマドワークを実現するためには、安定したメンタルと資金管理能力が求められるでしょう。